ジャックポットなるものを初めて観察した

 ジャックポットは、スロットマシンのようなもので、20ドル紙幣を入れて、ボタンによって掛け金が選べるようになっている。ジュディは毎回25セントずつ賭けるのがお好みのようだ。
 「総額」(credit)、「掛け金」(bet)、「獲得金額」(win)がディスプレイの上の方に表示されていて、真ん中に縦3列、横5列にキャラクターが並んでいる。同じキャラクターが多く集まるといいようだが、私にはよくわからない。
 うまくいくと、フリースピンというのが得られて、これが出ると、フリースピンとしてキャラクターが勝手にまわり、並び具合がいいと、獲得金額が加算されていく。
 「テクニックはいらないのか」とジュディに聞いてみると、掛け金を選んでボタンを押すだけで、本当にテクニックも何もいらないようだ。そこへ、アレックスが調子はどうだとばかりに、我々のところにやって来て、自分は何時間もクラブにいるので、先に帰ると言って帰ってしまった。アレックスの今日の遊びはスヌーカーをやったと言っていた。
 アレックスに挨拶をしてから、私もビールを飲みながら、ジャックポットを観察することにした。
 ジャックポットマシンはキャラクター別になっていて、マオリのキャラクター、中国のキャラクターと、あれこれのキャラクターがあるようだ。
 私は生まれてこの方、暇も興味もないということで、賭け事などやったことがない。合州国でラスベガスに寄った際にも、スロットマシンすら、やらなかったほどだ。
 ビリヤードや、ジャックポット、ダーツもあって、やはりここの遊びはイギリス系ということになるのだろう。
 それから、2ドルほどのくじのようなものを売り歩いている男性、女性がいて、40人になると、数名の人だけに賞品があたるようになっているらしい。アレックスは、いつも15番を買っているようで、今日も15番を買って、60ドルほどのハムが当たったと、先ほど帰る間際に言っていた。
 こうしてニュージーランドでもオーストラリアでも、オセアニアでは結構賭博が盛んだ。もちろん日本じゃ違法だが、異国で旅行者なら、許されるのだろうか。
 子どもの頃、ボーリング場にあったピンボールマシーンが大得意(pinball wizard)だった私は、ジュディに、「クラブには、ピンボールマシンはないのかな」と聞いたら、ピンボールマシンなんて、やはりアメリカ風なのだろう。そんなものはないという顔つきで、「ピンボールマシンなんかない」と私に言った。
 ということで、チャイニーズテイクアウェイで食事を買って、今日の夕食は簡単に済ませることになった。
 金曜日は、結構しっかりとした食事をつくることの方が多いのだけれど、土曜日、日曜日はあまり食事に凝らないように、金曜日もたまに手を抜くことがあるようだ。