日本で、アウシュビッツはどのように報道され、どのように教育されているのか

 日本でアウシュビッツは、今日ニュースになったのだろうか*1
 私が年末から新年にかけて日本に帰国していた際に、従軍慰安婦を扱った番組を制作したNHKのディレクターや製作スタッフへの自民党議員らによる政治圧力問題が話題になっていたが、首をかけても敢えて内部告発をおこなった勇気あるディレクターの流した誠実な涙が映し出される中、いつの日か、その真実が白日のもとにさらされる日が来ざるをえないと私は確信しながらその報道を見ていた。
 アウシュビッツを十二分に報道せずとも、日本が自らおこなった侵略行為については、さらに勇気をもって厳しく報道し、歴史的な教訓をきちんと学ばねばならない。
 ということで、メディアの責任が大きい所以だが、今わたしのあげたgenocide, holocaust, Jew, Nazis, などの語彙は、英単語として充分に学校現場で教えているのだろうか。
 こうした語彙を若い日本の世代が学んでいなければ、おそらくヨーロッパ系の人間とすら、話ができないに違いない。
 あの侵略戦争から教訓を学び、今なおナチスを厳しくその罪を断罪しているドイツ*2と、戦後処理の甘い日本とでは、歴史的教訓の学びにおいて、その深さが違うと言われて久しい。
 日本は、いま若者たちに何を「教育」しているのだろうか。今後若者たちに何を教育していこうとするのか。
 せめて、TVNZのレベルでいいから、事実をねじまげず、事実報道に徹して、ごく普通のことを普通に教えていかなければ、新たな不幸しか、我々日本人の前には待ち受けていないことになってしまうだろう。

*1:アウシュビッツは、最近では、ドラマ「白い巨塔」のロケ先として日本で話題になったようだ。

*2:ニュージーランドの成人教育の英語改善講座で、たまたま知りあったドイツから来た青年と話をする機会があったが、日本はあの戦争からどのような教訓を学んだのかと、自由討論時間の際に私は普通に質問されたことがある。