ワイタンギを祝う精神

 さて、2月6日のワイタンギ・デーが近づいている。
 ワイタンギ・デーは、いわゆるワイタンギ条約が結ばれた日という意味だ。
 これを「建国記念日」と訳すのは、不正確に違いない。
 ワイタンギ・デーはワイタンギ・デーであって、一時期にニュージーランドデーとなったが、すぐにやめて、ワイタンギ・デーに戻った。つまり、ワイタンギ・デー自身が解釈と論争の的であり続けているという歴史を持っているからだ。
 タミハナのパートナーのニコルは、「ワイタンギ・デーにワイタンギに行ったって何も学ぶものはないんじゃないかな」と私に言った。
 彼女がワイタンギに行ったのは、1990年のときのことで、抗議(プロテスト)に行ったという。以来、ワイタンギには行っていない。
 今も、ワイタンギに出かけていくマオリは、プロテストするグループが多いという。
 今の時代は、プロテストだけではダメだというのが、今の彼らの基本姿勢のようだ。
 そもそもワイタンギ条約に書かれていることと現実のギャップに悩んだマオリは、ワイタンギ条約なんて嘘っぱちだと思っていたという。ところが、運動と平行して、そうではない、ワイタンギ条約の精神にもとづいて、現実を変革していくのだと考え方を大きく変えてきたという。
 だから彼らの基本姿勢は、ワイタンギを祝うのが、ワイタンギ・デーとなる。
 ワイタンギ・デーには、ワイタンギに行かずに、例えばオークランドなら、オカファ湾(Okafa Bay)に行くとよいという。
 ハミルトンなら、ハミルトン湖(Lake Rotoroa)*1に行くといいと言う。
 当日は各地で、ワイタンギ・デーを祝うために集会が開催され、マオリがたくさん集まるという。
タミハナ自身も、ワイタンギ・デー当日には、仕事半分で、ハミルトン湖に行くという。
 ただし、私のように全くワイタンギ・デーを経験したことのないものが、ワイタンギ・デーにワイタンギに行くことは全く無駄でもあるまい。
 ということで、今日、私はワイタンギに向けて出発する。
 パソコンは持っていくが、インターネットカフェでアクセスしての書き込みにならざるをえないから、ブログの更新はかなり遅れるだろう。
 それでは、行ってまいります。

*1:ハミルトン湖(Hamilton Lake)は、ハミルトン市内にある湖で、市民の憩いの場のひとつになっている。ハミルトン湖は、マオリ語では、Lake Rotoroaという。私の所有しているKiwiPathfinderの地図では、ハミルトン湖はLake Rotoroaと表記され、Hamilton Lakeの方がカッコでくくられて表記されている。マオリ語でrotoには、「内側」という意味があり、そこから、「内陸部」「湖」を意味するようになった。当然にもアオテアロアでは、湖が多いから、ロトのつく湖は多い。アオテアロアのロアと同じだが、ロアは「長い」を意味するので、ハミルトン湖のロトロアは、結局「長い湖」という意味になる。ちなみに、ロトロア湖は、Kenchou-ji Templeと同様、リダンダントな用法である。