タミハナに言わせると、マオリ語を自分のコトバとして自由自在に操れるものはマオリの中で5%くらいではないかという。まずまずマオリ語を喋れるというのは、マオリの中で20%くらいだろうと続けた。
タミハナの母親も教会に育てられ、100%英語で育ち、マオリ語は話せないという。彼女が生きぬくためには、教会という環境は英語が必要と「善意」で考えていたに違いない。
父親は、英語が100%だとすると、マオリ語は60%くらいではないかとタミハナは言った。
タミハナの祖父母は、英語100%、マオリ語100%で、ほぼ完璧な二重言語話者だったと彼は続けた。
町で仕事を得るには英語しかない。英語は、生き延びるための手段であった。だから、マオリにとっても、けっして英語ははずせなかったのだ。