コロマンデルタウンを発つ

 その朝ごはんのお礼というわけではないのだが、私はこのサトシさんと一緒にコロマンデル半島を回ることにした。
 ホストファミリーからは、けっしてヒッチハイカーを乗せないようにと教わっていたのだが、シリアルのお湯がけを食べているような奴ならば、おそらく大丈夫だろう。
 私たちはコロマンデルタウンの小さなスーパーで、パン、チキン、バター、リンゴ、バナナなどを購入した。
 車に食料を積み込んで出発し、私たちはハーヘイ(Hahei)に向かうつもりだったが、サトシさんが、「この道は違うようですね」と言う。彼の言うことが正解だった。道案内として彼は優秀だ。ヒッチハイクで鍛えた方向感覚のようなものがあるのかもしれない。
 コロマンデルでは、私はいい旅ができそうな予感がした。