シリアルのお湯がけ朝ごはんをご馳走になる

ハーヘイのビーチ

 電源を取りながら、朝台所で、いつものようにラップトップでモノを書いると、初老のイギリス人が食事をしにきた。大変めずらしいことに、彼は一人旅のようだ。
 二人で台所で話し合っていると、サトシさんが起きてきた。
 今回の私の旅は、テント類の一切合財はウエリントンにいる娘にすでに送ってしまったし、言ってみれば最後のおまけのような旅だから、寝袋さえ持っていない旅である。だから食料も調達していない。
 朝ごはんに何を食べているのとサトシさんに聞いてみたら、いつもシリアルだという。ただし、前は牛乳をかけて食べていたのだが、一種の進化現象なのであろう、今はシリアルにお湯をかけて朝食用にしていると、何ともヒッチハイカーらしいことを私に言った。これはなかなかの豪傑だ。
 「それを私もいただけないかな。何にも用意をしていないので」と彼にお願いすると、快く彼はシリアルのお湯がけを私に作ってくれた。
 薄茶色の少し甘いシリアルで、できあがりはキビ団子のような感じなのだが、丼一杯よそってくれたので、かなりの量になる。食べても食べても減らないことに閉口したが、食べ物を粗末にしてはいけないと教わった私は全て残さずに食べた。