実は今晩の夕食は、ホリデイパークで、たまたまコトバを交わしたキーウィに夕食を招待されていた。娘が同伴でもよいかと聞いていて、歓迎しますということだったので、娘と一緒に5時前にウエリントンを出てパエカカリキに向かった。
5時10分ごろは、ウエリントンから、帰宅する車で高速道路が大渋滞。ウエリントンの勤労者は5時にいっせいに車に乗って家路を急ぐことが体感できた。
なんとかパエカカリキに6時に着くことができたが、いつもより、かなり時間がかかってしまった。夕方6時10分頃に、そのキャンピングカーに出かけた。
みやげに、ソビニョンブランの白ワインと、イチゴを持って行った。
ジェフ(仮名)とピーター(仮名)は、ジェフのキャンピングカーの前ですでにワインを飲んでくつろいでいた。
ジェフとピーターと娘と私で挨拶をかわし、ジェフは食事の志度にキャンピングカーへ。ピーターと娘と私とで外で会話となる。
準備完了ということで、ジェフのキャンピングカーに三人は上がらせてもらった。
このキャンピングカーは、普通のものよりも大きく、冷凍食品を運ぶトラックのように、形が真四角で、キャンピングカーというよりも、貨物トラックのような形をしている。
テーブルには、ナイフとフォークとナプキン、それにワイングラスが置かれていて、本格的な食事で、とてもキャンプの食事とは思えない。
出てきたものが、メインとして、皮をむいたチキン。これがチキンに詰めたパンや香辛料を加えたスタッフィーで、温野菜として、アルミホイルに包まれたオーブンで焼いたポテト。それに野菜サラダが出された。
飲み物は、白ワインである。
これを自分の取り皿に盛りつける。キーウィの食事スタイルは、食べたいものを食べたい量だけ自分の皿に盛りつけて食べることになる。
サラダに、レモンをかけるのを忘れたというほど、ジェフは凝り性だ。
デザートには、さまざまな果物。そして最後は、フィルターで濾したコーヒーである。食事のあとは、ブランディで我々四人は語り合った。
話の中でなんとジェフは、6年ほど前からこのキャンピングカーに住んでいるということがわかった。これで移動しているから、市民税は払っていないという。
10万ドルというから、750万円くらいの車をベースに、さらに750万円ほどかけて、内装・外装に手を加え、現在のキャンピングカーに仕上げたという。これが合計1500万円ほどのジェフの現在の家だ。
ベッドがあり、冷蔵庫があり、キッチンがあり、ダイニングテーブルがあって、一通りのものがそろっている。
彼の趣味は、海釣りと写真だと言ったが、キャンピング場で客を招くのも、彼の趣味のうちではないかと私は勝手に想像した。
彼のゲストブックには、これまで招待した客の情報がびっちりと書かれていた。
光栄なことに、このゲストブックに最初の日本人として私は自分の名前を書くことになった。
夜も更けた10時30分ごろ、娘と私は簡易ヘッドライトをつけて自分達の狭いテントに戻り、キーウィの遊びのレベルはさすがに違うと感慨にふけりながら、寝袋にくるまった。