GDPと引き換えに自由時間が奪われる

 自由時間の喪失やストレスなどと引き換えにした無闇な経済成長は必要のない無用の長物のように思えてならない。
 4月3日の朝日新聞に「幸せ大国をめざして」という特集記事が載っていたが、国内総生産(GDP)には、「心身を病む人が増えると膨らむ医療費、凶悪化する犯罪から身を守るための出費」も「プラスに勘定される」ことになる。 こう考えてみると、GDPという概念はすでに幸福度を測るモノサシにはなりえない「時代遅れの統計」だ。
 大変残念ながら、世界第二位のGDPを誇る日本で、「不安と無力感が蔓延する社会」がつくられつつあるというのは私の実感でもある。