学校で一番大切なものは、教師集団である

 それで、私は思うのだが、一番大切なものは、なんといっても教師集団であろう。
 学校で一番大切なものは生徒ではないのかという反論が聞こえてきそうだが、それはそうなのだが、生徒を大事にするためにも、教師集団が大事なのである。
 それで、素晴らしい教師集団は、一日やそこらでは、できない。
 公立と違って、私立のわが職場では今のところ人事異動もないから、先輩諸氏たちの連綿とした努力でもって教師集団をつくってきた。この点で、まさに、わが職場には、歴史と伝統がある。
 それで、一人ひとりが個性的で、団結力のある教師集団が存在している。教師集団も「生き物」であり、多少の浮き沈みがあるから、素晴らしい教師集団をつくるのは非常にむずかしいが、その一方、壊すのは実に簡単である。
 教師集団を壊すには、例えば、教師に「採決」をさせないことである。教師から誇りを奪うことである。そうすれば、教師は自分の頭で考えることをしなくなる。
 ちなみに、昨今問題になっている東京都教育委員会が言うところの「採決」も「多数決」も「議長団」も、わが職場には全てある。
 そもそも、管理職の選出に教師集団が大きく関わっている。管理職を決めるのに、教師集団が大きく関わっているからこそ、管理職と教師集団との間に信頼関係が存在している。そう私は考えている。
 教師集団のレベルを向上させない限り、日本の教育に未来はない。
 教育基本法の「改悪」、職員会議の「採決禁止」は、まさに教師集団を育てるのとは、逆方向を向いている。