教師はつらいよ

 私立大学附属校で英語を教え始めて、すでに四半世紀、つまり25年以上が経つ。
 教育の仕事というのは、すぐに結果や成果が見えないから、自分なりに懸命にやっていても、成果があがっているのかどうか皆目かわからない。
 クラブ活動の顧問なら、指導期間が長いせいもあって生徒との人間関係が濃くなることもあるけれど、クラスや学年の場合は、毎年生徒は変わるし、3年間で卒業してしまうのが普通だ。人に与える影響は大きいのだろうけれど、教師の仕事って、常に明確で確固たる生徒の反応やフィードバックがあるわけでもない。
 卒業式ってのはあるけれど製造業のように製品をつくって出荷する納期があるわけでもないし、これで完璧ということもない。いい加減に考えることができるならば、厳しく管理されないうちは、適当にやったって、どうってこともない。けれども、真剣に考えるならば、教師という仕事は生易しいものではない。
 学校というものは生き物のようなところがあって、生徒は毎年変わるし、教員だって、少しずつ、また年によっては、大きく変わることがある。