基地再編反対自治体を兵糧攻め

amamu2007-11-17

 防衛省は10月31日の官報で、在日米軍再編への協力度に応じて市町村に分配する「再編交付金」の交付対象となる33市町を告示したが、これには山口県岩国市、沖縄県名護市、神奈川県座間市などが除外されていた。その理由は、基地再編に反対しているということからで、これらの自治体が賛成にまわった場合、交付する方針だという。これでは、言うことを聞かないところには、経済制裁、経済封鎖ということに他ならない。
 果たしてこれで民主国家と言えるのだろうか。
 以下はasahi.comから。

米軍再編交付金 南関東防衛局長に聞く
2007年11月07日

  県内基地の管理を担当している防衛省南関東防衛局の斉藤敏夫局長が6日、朝日新聞社のインタビューに応じ、在日米軍再編に伴う基地負担の代償として支払われる「再編交付金」の対象から座間市が外された問題の内幕を語った。キャンプ座間への陸上自衛隊の新司令部の移転に伴い、既存の米軍施設の移設が必要だが、その費用を日本側が負担することになり、一部を08年度予算の概算要求に盛り込んでいることも明らかにした。


(渡辺丘)


  再編交付金をめぐっては、米陸軍第1軍団司令部の前方司令部などが置かれるキャンプ座間の地元の相模原市が支給対象となる一方、座間市は指定から外れた。


  斉藤局長によると、相模原市は小川勇夫前市長らが06年4月に当時の防衛庁額賀福志郎長官を訪ね、相模総合補給廠(しょう)の土地の追加返還を示された際の発言が「再編への理解」につながった。市によると、「国の専管事項で、最終的には政府が責任を持って決めること」と述べたという。


  一方、座間市には、公式の場で容認姿勢をうかがわせる発言がないといい、市などでつくる連絡協議会の名称や市役所前に掲げている懸垂幕に「反対」の文字を入れていることも「明示的な違い」と説明した。


  局長は「今後、理解と協力が得られれば、追加指定の可能性はある」としたが、事務手続きが必要なため、今年度分は年内が期限の目安になるとの認識を示した。
  ただ、座間市はその前提として、国に基地の恒久化解消策を示すことを求めており、斉藤局長は「国として何らかの対応をすると表明してきているので、難しい課題ではあるが、答えなければいけない」と語った。


  交付対象となった相模原市横須賀市の交付額は「11月半ば以降には数字が出る」との見通しを示した。


  また、2012年度までにキャンプ座間に陸上自衛隊の中央即応集団司令部を移転させる計画に伴い、若者向けの厚生施設など既存の米軍施設を基地内の別の場所に移す必要があり、そのための経費を日本側が負担し、すでに一部を08年度予算の概算要求に盛り込んだことも明らかにした。


  米軍の前方司令部は、現在の在日米陸軍司令官のパーキンス少将が指揮する見通しというが、発足時期や規模などは分かっていないという。在日米陸軍司令部幹部が朝日新聞の取材に、2014年までに米本土にある第1軍団司令部の本体機能を移転させる可能性に言及したことについては「聞いていない」としたが、将来も前方司令部のままとどまるかは「分からない」と答えた。


  一方、厚木基地海上自衛隊ジェット機(次期固定翼哨戒機PX)の性能評価試験を08年度から実施すると、同局が地元の大和、綾瀬両市に通知した問題で、局長は「ジェット機だからといって、現在の(プロペラの)P3Cよりうるさくなるということはない」と述べた。「自衛隊は緊急の場合以外は、ジェット機は使用しない」と国が71年に両市に約束した通知文書との整合性については、「部隊配備ではなく、期間を限った試験」として現段階で整理する必要はないとの認識を示した。


  ■座間市長「複雑な気持ち」


  座間市の星野勝司市長は6日の記者会見で、交付金の指定をめぐり相模原市と国の対応が分かれた問題をめぐり、「今までキャンプ座間は一つと、相違点はありながらも歩調を合わせていたが、ここで分かれてしまったことに心配している市民はいる」とした上で、「複雑な気持ちはある」と述べた。


  市長は「(市民の中には)金をもらえば良いという人もいれば、もらわないでとことんやれという人もいる。我々の対応の仕方は難しい」とも語ったが、「国が(基地の恒久化解消策を)どう示すか分からないが、それが第一義」と、座間市は従来通りの姿勢を貫くことを強調した。