宴席に同席した政治家として、額賀氏、久間氏の名前があがる

amamu2007-11-16

 守屋前事務次官が証人喚問で、現職閣僚の額賀氏、久間元防衛相も宴席に同席していたと発言し、大きな波紋を呼んでいる。
 こんな状態で給油継続なんて、ありえるのだろうか。
 「記憶にございません」という物言いで許されてはならない。徹底解明と徹底追求が必要だ。
 以下のニュースはasahi.comから。

守屋氏喚問で「宴席に額賀・久間氏」 民主、問責も視野
2007年11月16日00時56分

 防衛省守屋武昌・前事務次官(63)は15日、参院外交防衛委員会での証人喚問で、軍需専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者(69)=業務上横領などの容疑で逮捕=との宴席に額賀福志郎財務相久間章生元防衛相が同席していたことを明らかにした。額賀、久間両氏は防衛庁長官経験者で、喚問終了後、いずれも「記憶にない」などと話した。民主党衆院で両氏の証人喚問を求めるなど、国会での説明を要求。同党は現職閣僚である額賀氏の問責決議案の提出も視野に入れており、進退問題に発展する可能性もある。海上自衛隊の給油活動再開のための補給支援特措法案を、12月15日まで延長した今国会の会期内に成立させることは厳しい情勢となった。



参院外交防衛委の証人喚問に出席、委員長の発言を聞く守屋武昌前防衛事務次官=15日午後1時すぎ、国会内で


参院外交防衛委に参考人として出席、挙手で答弁を求める米津佳彦山田洋行社長=15日午前、国会内で

 2度目となった証人喚問で守屋氏は、宮崎元専務との宴席に同席した2人の政治家の名前を初めて明らかにした。10月29日の衆院テロ対策特別委員会での証人喚問では、「名前をはっきり言うだけの自信と日付もわからないので、答弁を控える」として、名前は出さなかった。

 守屋氏の証言によると、額賀氏が出席した会合は一昨年くらいで、米国防総省のジェームズ・アワー元日本部長が来日した時に東京・神田の料亭で開かれた。守屋氏が出向くと、すでに宮崎元専務がおり、次いで額賀氏が顔を見せたが、最初に帰った。他の政治家も同席したという。

 久間氏が参加した宴席は2、3年前。旧防衛庁近くの東京・六本木の料亭で開かれた。日米の国防族議員らによる年2回のシンポジウムを主催する「日米平和・文化交流協会」の秋山直紀・常務理事から「大臣と飲むから来ないか」と誘われ、出向いたという。守屋氏が到着して間もなく久間氏は引き揚げ、その後は守屋氏、秋山氏、宮崎元専務の3人で飲んだという。話した内容は「覚えていない」と述べた。

 額賀氏は15日夕、財務省で記者団に「全く記憶にない。これまで宮崎氏や守屋氏から接待を受けたことはない」と全面的に否定。一方、久間氏は朝日新聞の取材に対し「3年ほど前の話なので、記憶に自信がない」としながらも、4人の会合については「あり得るかもしれない」と含みを持たせた。

 この日の喚問で守屋氏は、ヘリコプター装備品納入代金を山田洋行が水増し請求したとされる問題で、当時防衛局長だった守屋氏が担当課に電話をしていたとされる点について「記憶が一切ない」と述べた。

 また、次期輸送機(CX)のエンジン調達に絡み03年8月に開かれた装備品審査会議の段階で、山田洋行が米ゼネラル・エレクトリック社の代理店だったことを前回の証人喚問で「知らなかった」と答えていた問題についても改めて「当時の認識として一切記憶がない」と語った。

 ゴルフや飲食などの過剰な接待を受け続けていたことについては「それが刑事罰に該当するということであれば、逃れる考えは全くない」と述べた。そのうえで、石破防衛相から自主返納を求められていた退職金について「受け取る資格はない。返納する覚悟でございます。申し訳ございません」と返納に応じる考えを示した。

 政治家から契約関係で何らかの圧力を受けたことがあるかどうかも問われた。守屋氏は、建設関係で政治家から相談を受け、担当部署を紹介した記憶はある、と述べた。

 前回の証人喚問後に明らかとなった、同氏の側近とされる防衛政策局の課長(47)との不透明な資金のやり取りについても質疑があった。

 守屋氏の証言によると、10年前、父親から相続した山を売ってできた資金があり、この課長から「少し増やしてあげますよ。貸してください」と言われて、2500万円と2000万円の2回に分けて貸したという。

 しかし、返済が困難となり、5年ほどかけて何回かに分けて返済された、と説明した。上司・部下の間の巨額な貸し借りについて守屋氏は「金を増やしてあげるという言葉に乗った甘さがあった」と釈明した。

     ◇

 守屋氏が額賀、久間両氏の宴席同席を明らかにしたことを受け、民主党は15日夜、衆院テロ対策特別委員会で両氏の証人喚問を求める考えを自民党側に伝えた。民主党など野党は、現職閣僚である額賀氏が「記憶にない」と、守屋氏の証言と食い違う説明を繰り返してきたことを特に重視、額賀氏が財務相を続ければ「予算編成に支障が生じる」などとして、自発的な辞任も求める構えだ。

 これに対し、福田首相は15日夕、首相官邸で記者団に「額賀氏から『宮崎、守屋両氏から接待を受けたことはない。仮にその会合に出席していたとしても、誰が出席していたか覚えていない』という報告があった」と明らかにした。そのうえで「そういう会合に出ることは政治家としてよくあることだ」と述べ、説明責任を果たせば同席自体は問題ないという認識を示した。

 自民党は両氏の証人喚問には応じず、国会の委員会などで説明すればよいとの立場だが、与野党逆転参院に舞台を移した補給支援特措法の審議に大きな影響を与えることは必至だ。

 与野党は19日の参院本会議での審議入りに向けて協議をしていたが、民主党は15日、証人喚問後の与野党参院国対委員長会談で、「証人喚問の結果を受けて疑惑解明を徹底しなければ、給油新法に話が行ける状況でない」として、19日の審議入りには応じられないとの考えを伝えた。

 審議入りは早くても26日以降にずれこむ見通しで、12月15日の会期末までに十分な審議時間を確保することは困難な情勢だ。年末には来年度予算編成が控えており、政府・与党は疑惑の行方を見定めたうえで、再延長してでも今国会成立をめざすのか、継続審議などの道を探るのか、難しい判断を迫られることになる。

 民主党は額賀氏が辞任に応じない場合には、参院で問責決議案の提出も検討する構え。額賀氏は防衛庁長官時代の98年10月、同庁の装備品調達を巡る不祥事に絡み、参院で問責決議を可決され、辞任したことがある。額賀氏の進退問題に発展すれば、福田政権に深刻なダメージとなることは避けられない状況だ。