Toy Story 3の子ども版ノベルToy Story 3 Junior Novelization (Disney/Pixar Toy Story 3)*1を眺めていたら、裏表紙にBut there's more to Sunnyside than meets the eyeとあった。
ここでのSunnysideは、Sunnyside Daycareのことを指している。つまりサニーサイド保育園だ。
There’s more to one than meets the eyeという表現は、「裏がある」「(ちょっと見ただけではわからない)深い内容がある」(「最新日米口語辞典 (1982年)」)という意味である。
トイストーリー3を見た方はおわかりだろうが、「おもちゃにとっての天国」(toy heaven)と思われたサニーサイド保育園は、たしかに、「裏」があったのだ。
There’s more to one than meets the eyeは、「(その人には)見た目以上のものがある」の決まり文句であることから、「隅に置けない」(「最新日米口語辞典」)という訳語もあてられる。上記の例文のように、人以外にも使われる。
私がこの表現にはじめて出くわしたのは、There’s more to the picture than meets the eye.というNeil YoungのHey Hey My Myの歌詞であった。
そのときは、この表現に全く慣れていなかったのだが、子ども版ノベルの裏表紙に使われるほどだから日常的な慣用句であることは間違いない。
A has something to do with B、come up with somethingなど、ひとつひとつの単語が中学校で習うようなレベルでも、全体として意味がよくわからない表現は少なくない。私は授業中よく「この表現を知らなければ、英語を知っているとは言えないよ。(それほどよく使われる表現だよ)」と言ってきたが、there’s more to one than meets the eyeも、その手の表現である。頻度数ということでは、英語教師がまず頻度数を体験すること、その言語体験や経験の相対化が必要なのである。
子ども用の素材は、こうした相対化を果たすにはうってつけである。学びとして、不自然に無理やり詰め込むのではなく、自然の流れに身を任せることも、言葉の学習には必要なのである。