サンフランシスコのストランド劇場が新たな劇場として生まれ変わるようだ

Strand(1981年)

 たまたまインターネットをブラウズ(閲覧)していたら、サンフランシスコのマーケット通りにあったストランド劇場が10年以上も前に閉館となっていることを知った。
 American Conservatory Theater(A.C.T)という団体が買い取って、来年の2015年には新しい劇場にするようだ。

http://www.nbcbayarea.com/news/local/San-Franciscos-Strand-Theater-Begins-Next-Act-226226031.html

 このストランド劇場とは、私がサンフランシスコに6か月住んでいたときに、よく通った映画館だからとても懐かしい。
 バークレーの英語集中講座に通いながら、英語修行として、この映画館によく通った。
 メニューが日替わりの映画館で、同じメニューで一日に3回上映されていた。いつ入ってもよいのだが、その3回の上映時間帯で入場料が違っていた。ストランドで何が面白いかというと、観客の反応である。ベッド・デイビスマリリン・モンローなど有名な女優が銀幕に登場すると、それに客がやんやと反応するのだ。

Any old-timer will tell you one of the keys to survival is rolling with the punches. San Francisco’s Strand Theater has done a lot of rolling in its day. Since opening as a Vaudeville theater in 1917, its incarnations have included a bingo parlor, a movie house, a porn theater – and most recently, a residence for squatters.


 今回観た昨年10月のニュースよると、ストランドは、1917年にヴォードビル劇場(Vaudeville theater)としてつくられてからというもの、ビンゴパーラー(bingo parlor)や映画館(movies house)、ポルノ劇場(porn theater)、最近では不法占拠者の住居と、さまざまに名前も形も変えてきたという。"roll with the punches"*1は、「困難や問題に柔軟にしなやかに対応する」というボクシングから来たイディオムだ。
 ストランドは、私がよく通った頃は映画館だったわけだが、ポルノ劇場から不法占拠者の住居ということで最後は荒廃の一途だったようだ。
 それで、今度、American Conservatory Theater(A.C.T.)という非営利団体の劇団が買い取って、新しく劇場にするという。 A.C.Tは俳優の育成もおこなっているようだ。
http://www.act-sf.org/home/about/the_strand.html
 A.C.T.という劇団のホームページを眺めて、あらためてStrandのことを思ったら、またサンフランシスコを訪れたくなった。

 東京も、劇場が少なくないが、大都市のなかに分散している感は否めない。私がいた頃のサンフランシスコは、劇場やライブハウスの箱(venue)が集中していた。
 サンフランシスコは、町のサイズとして、いい感じの規模で、なおかつ劇場やコンサート会場が身近にたくさんある。その点においては今でもサンフランシスコが他のアメリカ合州国の都市に負けることはないだろう。