小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ出演の「かもめ食堂 [DVD]」を観た。
平凡な日本人女性がフィンランドで食堂を開くという話だが、その女主人がつくるコーヒーとシナモンロールの匂いが印象的で、シナモンロールが今すぐ食べたくなる映画だ。
この食堂では、おにぎりを中心にすえたいというのだが、それは、女主人のおにぎりの思い出からのことらしい。
私自身の経験でも、初めてアメリカ合州国はサンフランシスコで半年暮らすことになったとき、真っ先に買ったのが炊飯器だった。米食は私の食生活の中の中心を占めていたから、炊飯器を買って、ようやく気分が落ち着いたことを覚えている。
ストランドという名前の映画館が、サンフランシスコのメインストリートであるマーケット大通りにあって、その映画館と大学の英語集中講座に毎日のように通った。その映画館は3本立てということもめずらしくなかったから、炊飯器で自分で炊いたご飯でおにぎりをつくり、持参しては映画を観ていた。
「かもめ食堂」は、静かに時が流れ、自分でも厨房に立ちたくなる佳作だ。