北方四島へのビザなし交流団の顧問として訪れた国後島で、島を戦争で取り返す是非について言及し、日本維新の会を除名された丸山穂高衆院議員=大阪19区=が同島の「友好の家」滞在中、酔った状態で「ここが日本だと証明してやる」「俺は議員で不逮捕特権があるから関係ない」などと言い、何度も単独で外出しようとしていたことが分かった。

 同行した高田喜博北海道国際交流・協力総合センター客員研究員によると、丸山議員は宿泊先の「友好の家」の食堂で訪問団員と酒を飲み、「おっぱい」などと繰り返し、騒いでいた。ホームビジット先のロシア人島民宅でも飲酒したらしく、「友好の家」に戻ってきた時には酔っていたという。

 同行職員が部屋に戻そうと働き掛けたが丸山議員が戻ろうとしなかったため、やむなく食堂を閉めることにした。すると丸山議員は「飲みに出るぞ」と言い、政府関係職員らが制止すると、「なぜだめなんだ」「俺は議員で不逮捕特権があるから関係ない」「ここが日本だと俺が証明してやる」などと騒いだという。

 北方四島では実効支配しているロシアの法律が適用されるおそれがあるため、ビザなし訪問では、単独行動はしないよう申し合わせているが、丸山議員は他の同行者に繰り返し、「外出したい」などと話していたという。

 23日発売の週刊文春が、丸山氏の女性に関する不適切発言などを報道したことを受け、衆院議院運営委員会は23日の理事会で、24日の理事会で丸山氏本人から事実関係を聴取することを決めた。

 理事会ではこの発言が事実なら「院の権威を貶(おとし)めるもの」との認識で一致。北方領土返還の手段として「戦争」に言及した発言も含め、本人から事情を聴く必要があると判断した。

 ただ、与党関係者によると、丸山氏は体調不良を理由に24日の聴取は受けない意向を示しているという。

 丸山氏の「戦争」発言を巡っては、野党が議員辞職勧告決議案、自民、公明両党が譴責(けんせき)決議案を衆院に提出。議運委で対応を協議していた。