「丸山氏発言に「発想の先は破滅だけ」沖縄戦を生き抜いて」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年5月18日12時30分)から。

 北方領土をめぐり「戦争」に言及した丸山穂高衆院議員(35)。北方領土と同様、敗戦で外国の統治下に置かれた沖縄では憂慮の声が上がる。その一人で、学徒として沖縄戦を生き抜いた元衆院議員は「力で相手をねじ伏せる発想の先には、かつてたどった破滅の道しかない」と、警鐘を鳴らす。

 古堅(ふるげん)実吉(さねよし)さん(89)。1990年から衆院議員を3期務めた。自身の戦争体験を子どもに語ることもある古堅さんは、50歳以上若い丸山氏の発言を新聞で見て目を疑った。「まさか政治家が戦争をけしかけるような発言をするとは……」

 丸山氏は11日、北方四島ビザなし交流の際、訪問団長の元島民に「戦争しないと、どうしようもなくないですか」などと詰め寄った。団長は「戦争はするべきではない」と繰り返した。

 この団長と古堅さんはともに89歳。45年に旧ソ連軍の侵攻で故郷・国後を追われた団長。古堅さんは、県民の4人に1人が亡くなった沖縄戦の体験を重ねる。

 米軍が沖縄本島に上陸する前日の45年3月31日、沖縄師範学校1年生で15歳だった古堅さんは「鉄血勤皇隊」として動員された。「ありったけの地獄を集めた」とも言われる地上戦。被弾した上級生は「あんまー(お母さん)!」と叫びながら亡くなり、同級生はすぐ隣で吹き飛ばされた。

(後略)

(藤原慎一)