「米「有志連合」60カ国に参加要請 軍事、財政支援迫る」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年7月20日19時6分)から。

 米政府は19日、ホルムズ海峡など中東海域の船舶の安全を確保する「有志連合」構想について、日本など60カ国以上をワシントンの国務省に招いて説明会を開き、「有志連合」への参加を求めた。出席国によると、米政府は艦船派遣や資金援助を求め、25日に開く次回会合で詳細を協議するという。対立を深めるイランの包囲網強化につなげる狙いとみられるが、賛同が広がるかは不透明だ。

 会合には欧州やアジア、中東などの外交官が出席し、国務省でイランを担当するフック特別代表らが構想を説明した。出席国の政府関係者によると、米政府は①艦船や部隊の派遣などの軍事支援②資金援助などの財政支援――などで「有志連合」の作戦に貢献するよう要請。参加国は自国の「能力」に基づいてどう貢献するかを決めるという。説明会に参加した在米日本大使館の市川恵一政務公使は記者団に「東京にきちんと報告する」と語った。

 日本政府は、21日投開票の参院選後に具体的な対応の検討を本格化させる。

 日本政府はこれまで「現段階で自衛隊を派遣することは考えていない」(岩屋毅防衛相)としてきた。米国から構想の説明と参加要請があったことを受け、自衛隊の派遣や財政支援の可能性について慎重に検討するとみられる。

 説明会後、中東に展開する米軍を指揮する米中央軍は声明を発表し、「有志連合」の目的は「アラビア海、ホルムズ海峡、バブルマンデブ海峡、オマーン湾の公海の安定を高め、航行の安全を確保し、緊張を和らげることだ」と説明。その上で「この海洋安全保障体制は(『有志連合』)参加国が自国船舶を護衛することを可能にし、参加国の協力による監視が強化される」と強調した。

 さらに米中央軍は説明会後、イランと敵対する中東の主要同盟国であるサウジアラビアでの米軍駐留を16年ぶりに再開させることも発表した。イランを念頭に「中東での差し迫った脅威から米国の軍隊と利益を守る能力を確保する」としている。米中央軍やAP通信によると、サウジには500人規模の兵士を派遣し、戦闘機や防空ミサイルを配置する方針という。

 中東では米国とイランの緊張が高まっている。先月20日にはイランが米軍の無人偵察機を撃墜し、トランプ米大統領は米軍の報復攻撃を承認したが、直前に中止させた。米軍のサウジ派兵にイランは猛反発するとみられ、両国の緊張が一段と高まるのは必至だ。(ワシントン=渡辺丘、園田耕司)

日本政府、参院選後に対応検討へ
 日本政府は、米国による「有志連合」の説明会を受け、21日投開票の参院選後に具体的な対応の検討を本格化させる。

 日本政府はこれまで「有志連合」について、「現段階で自衛隊を派遣することは考えていない」(岩屋毅防衛相)としてきた。ただ、米国から構想について説明と参加要請があったことを受け、自衛隊の派遣や資金援助の可能性について、法的な根拠や安全性、米国やイランとの関係などを踏まえ慎重に検討するとみられる。