「玉木氏「生まれ変わった、改憲議論進める」 一転火消し」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年7月26日21時57分)から。

 国民民主党玉木雄一郎代表が改憲論議に前のめりな姿勢を見せ、党内外に波紋を広げている。「提案型」をうたう同党だが、参院選の1人区で野党共闘した直後だけに野党の連携に混乱をもたらしかねないとみて、玉木氏は26日、自ら火消しに走った。だが発言の余波は後を引きそうだ。

 「私、生まれ変わりました。我々も改憲議論は進めるし、安倍晋三首相にもぶつける」。玉木氏は25日夜に配信された文化人放送局のインターネット番組で改憲論議について、こう言及。「最終的には党首と党首として話をさせてもらいたい」と踏み込んだ。

 安倍首相は改憲論議を動かそうと、国民民主に盛んに秋波を送る。発言は首相との党首会談に応じる意向を示したものだと受け止められ、党内に動揺が走った。「そんな説明は受けていない」。複数の幹部が電話で真意を問いただすと、玉木氏は「そういう意図はない」と語ったという。

 26日になって、玉木氏は「徹底的な政策論争をするという意味で『生まれ変わる』という心構えを申し上げた。今までと考え方を変えて憲法論議に参加すると申し上げたつもりはない」と記者団に釈明。首相との改憲論議について「党首討論などがその一番の舞台」と述べ、一対一の党首会談ではなく、開かれた国会論戦で議論を進める考えを示しつつ、「言い方は気を付けたい」と語った。

 参院選で国民民主は伸び悩んだ。自民党の9条改憲案に反対し、憲法改正を問う国民投票の際のテレビCM規制の導入を優先課題と位置づける。ただ、野党内での存在感の埋没を避けようと、参院選後に「議論する国会を国民は求めている」と繰り返してきた矢先の発言だった。

 発言の迷走ぶりに、野党側は真意をいぶかる。玉木氏と26日に国会内で会談した立憲民主党枝野幸男代表は、記者団に「具体的な考えがあればお話があったはずだが、(言及は)なかった」と述べた。共産党志位和夫委員長は「野党5党派は安倍政権の下での9条改定は反対、発議もさせないということで一致している」と強調。社民党内からは「玉木氏はぶれている」との声が上がった。

 国民内でも「玉木氏の発信は、野党共闘に大きな影響を与える危険な発言だ。誤ったメッセージを送ってしまう」(中堅)との懸念が出ている。(河合達郎、寺本大蔵)