「混雑知らず。自由でローカルな京都旅をかなえるレンタサイクル&カフェ「THE GOOD DAY VELO」」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020.03.13)から。

京都は自転車で巡るのが最適な街です。一方通行が多い、路地が多い、環状線がない、バスは混雑する。自転車は、そんな古都の交通事情から自由になれるだけでなく、住民目線で街を楽しむことができるのです。今回訪ねたのは、レンタサイクルとコーヒースタンドが一緒になった「THE GOOD DAY VELO BIKES & COFFEE KYOTO(ザ・グッド・デイ・ベロ・バイクスアンドコーヒー・キョウト)」。おいしいコーヒーを片手に、春の京都をサイクリングに出かけましょう。

■暮らすように、小さな旅にでかけるように、自然体の京都を楽しむ。連載「京都ゆるり休日さんぽ」はそんな気持ちで、毎週金曜日に京都の素敵なスポットをご案内しています。
(文:大橋知沙/写真:津久井珠美)

自転車×コーヒーで旅のスタイルをもっと自由に

「日本では、自転車=移動手段というイメージがありますが、欧米ではレジャーやアクティビティーの一つ。自転車に乗ることそのものを楽しむ、という体験をしてもらいたくて」

そう話すのは、店主の石原直樹さん。カウンターを挟んで、片方の空間はレンタル用の自転車がずらりと並び、もう片方の空間では旅人がコーヒーやクラフトビール片手にひと休みする……。そんなユニークな店を営みます。

コーヒーやエスプレッソドリンクのほか、チャイや日本のクラフトビールも。カウンターで石原さんと旅の話をするのも楽しみの一つ
コーヒーやエスプレッソドリンクのほか、チャイや日本のクラフトビールも。カウンターで石原さんと旅の話をするのも楽しみの一つ

旅が好きで、ロンドンのカフェで2年ほど働きながらヨーロッパ諸国やモロッコアメリカ西海岸など、さまざまな国を訪れたという石原さん。ポートランドでは、自転車とコーヒーは切り離せないものとして、街のあちこちにレンタサイクル兼カフェがあったと話します。その自由でローカルな時間の過ごし方にヒントを得て、京都の街なかに同スタイルの店をオープン。カウンターは、出発前に一服したり、サイクリングのおともにドリンクを購入したり、西海岸のような雰囲気に引かれてコーヒーブレークに訪れたりする、さまざまな国の人々でにぎわいます。

壁のグラフィティーは京都在住の知人アーティストに描いてもらった。こちらは京都の地図がモチーフで、京都タワー金閣寺もある

「レンタサイクルだけだと、貸し出しや返却の時しかお客様と接する時間がないけど、カフェがあれば少し長居してくれるでしょう? どこに行きたいとか、どんな風に過ごしたいとか、旅のスタイルも話しやすい。お客様が楽しんでくれているのを見られるのがうれしいです」

住民目線で街を走れば、知らなかった景色が見えてくる
小回りが利く写真の20インチのほか、スタンダードな26インチ、後部ワゴン付きで小さなお子様を乗せて走行できるタイプも。1日1400円〜(2日目以降+1000円~)。税込み
小回りが利く写真の20インチのほか、スタンダードな26インチ、後部ワゴン付きで小さなお子様を乗せて走行できるタイプも。1日1400円〜(2日目以降+1000円~)。税込み

自転車に乗ることが、移動のためだけでなく心躍る時間になるように。「THE GOOD DAY VELO」で貸し出す自転車は、都会的なデザインと乗り心地の良さで自転車好きから定評のある「CRAZY SHEEP」のもの。自慢したくなるようなルックスは、旅の相棒としてうれしく、頼もしいはず。サドルが高めで視野が開けるので、気持ちよく景色を眺めながら乗ることができます。

ピクニックセット(2000円・税込み)。近くでおいしいパンやお弁当を買って出かける人も多い

保温ボトルに4人分のコーヒー、マグカップ、ラグをバスケットに入れて出かけられるピクニックセットも、これからの季節にぴったり。鴨川や京都御苑など緑豊かでピクニックやお花見に最適な場所も、自転車で10分ほどの距離にあります。乗り継ぎや運賃を気にせず、地図を見ながら自分で選んだルートを自由に移動する……。その軽快さと充実感は、まさに京都人が自転車で出かける気分そのものです。

「ハンドドリップコーヒー」(450円・税込み)。東京のスペシャティーコーヒーロースター「OBSCURA COFFEE ROASTERS(オブスキュラ・コーヒー・ロースターズ)」の豆が数種そろう。テイクアウトもあり

「京都は、色んなものが自転車で行ける距離にあります。寺院や神社も、鴨川も、美術館も。今はスマホのMAPがあるので、知らない場所やちょっと遠くでも気負わず行けるのがいいですよね。景色が見えるし自分で運転するので、思いがけない路地やお店に出会う発見もあります」と石原さんは言います。

グレーやブルーを基調とした内装に、天井や壁にも自転車が収納された武骨な空間は、アメリカ西海岸のサイクル&カフェショップのよう

碁盤の目の街、中心に京都御所、鴨川の向こうに見える大文字……。自転車で巡れば、京都の地理がグッと身近に、そこに暮らすかのように親しみを感じることでしょう。バスやタクシーの車窓からでは気づかなかった、小さな寺の一本桜や地元で愛される食堂に、思わず足を止めることもあるかもしれません。自転車でしか出会えない、ローカルでリラックスした京都をぜひ見つけてみてください。

THE GOOD DAY VELO BIKES & COFFEE KYOTO
http://www.thegooddayvelo.com