フォーク歌手の高田渡さんが亡くなった。
高田渡は、不思議な人だった。
ウディ=ガスリー・ピート=シーガーなどのアメリカ合州国のフォークシンガーの影響を受け、その生きる姿勢として正統派フォークシンガーといってもいい人だった*1。
60年代末から70年代初頭にかけて、PPM、ピート=シーガー、ウディ=ガスリーから、ボブ=ディランを聞き始めていた俺は、高田渡の「生活の柄」や加川良のアルバム「教訓」など、よく聞いたものだった。
高田渡の「コーヒーブルース」を聞いて、京都三条堺町のイノダコーヒー屋にわざわざコーヒーを飲みに行ったこともある。
自分自身、高田渡の熱心なフアンとは思っていなかったのだが、棚にあるアルバムを見てみると、以下のものが並んでいた。
- 汽車が田舎を通るその時(1969年)
- ごあいさつ(1971年)
- 系図(1972年)
- 石(1973年)
- FISHIN’ON SUNDAY(1976年)
- ねこのねごと(1983年)
- 渡(1993年)
この中では、なんといっても1971年の「ごあいさつ」が名盤と言えるだろう。
高田渡が書いた詩とともに、谷川俊太郎、山之口獏、有馬敲、添田唖蝉坊、木島始訳のラングストン=ヒューズの詩などが並んでいる。
音楽的にも、「失業手当」「自転車にのって」「銭がなけりゃ」「しらみの旅」は、はっぴいえんどがバックを担当し、当時の俺は、こりゃボブ=ディランとザバンドのようだと思ったものだ。
子ども時代に「アイスクリーム」の唄が好きだった娘がたまたま観て、俺は未見なのだが、「タカダワタル的」という映画も近年上映されたようだ。