「新型コロナ「欧州が中心地に」 WHO見解に各国厳戒」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020/3/15 11:00)から。

 新型コロナウイルスについて、世界保健機関(WHO)は13日の会見で、イタリアを中心に感染が拡大する欧州が世界の流行の「中心地」になったと位置づけた。当初、市民生活の制限には慎重だった欧州各国は厳戒態勢に転じている。

 欧州の大方の地域ではシェンゲン協定に基づき地続きの隣国に国境検査なしで自由に移動できるが、デンマークは13日、国境を閉鎖し、外国人の入国を原則として禁止すると発表。ポーランドも同日、同様の措置を明らかにした。

 感染が拡大したイタリアの隣国、オーストリアスロベニアはすでに入国制限を導入。AFP通信によると、フランスのマクロン大統領も13日、シェンゲン協定の域外からの入国制限を欧州連合EU)に提案した。

 影響は地方政治にも及びつつある。英国政府が5月のロンドン市長選などの地方選を1年延期すると決めたと、英メディアは13日伝えた。100を超える自治体で、首長や議会の選挙が予定されている。

 今月15、22日に迫ったフランスの統一地方選は実施される見通しだが、大規模集会や候補者との握手は禁止された。投票日も、感染防止のため有権者に投票所に備え付けのボールペンを使わず持参するよう、政府は呼びかけている。高齢者には棄権する人が多いとみられており、投票率の低下が懸念されている。

 マクロン氏は12日、「この100年で最大の公衆衛生の危機だ」とテレビ演説し、70歳以上の高齢者に外出しないよう求め、保育園から大学まで全土で一斉休校するとした。13日には100人以上が集まる行事も禁止され、パリのルーブル美術館エッフェル塔も閉鎖を決めた。

 またスペインのサンチェス首相は13日、国民向けのテレビ演説で警戒態勢宣言を出す意向を明らかにした。人の移動の制限などが可能になる。(パリ=疋田多揚、ロンドン=下司佳代子)