「説明になっていない首相発言、答える気ない?」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020/11/2 18:33)から。

 日本学術会議が推薦した会員候補6人は、なぜ除外されたのか。一問一答の論戦により、この問題の実態が少しでも明らかになることを期待したが、菅首相は「人事」を理由にかたくなに説明を拒み続けた。質問と答弁がかみ合わなくてもお構いなし、という姿に映った。

 この日、明らかになったのは除外された6人のうち、東京大の加藤陽子教授以外は、問題が起きる前に菅氏は「承知していなかった」ということだ。除外理由については「政府の法案に反対したから、ということはあり得ない」と批判を打ち消そうとした。

 だが、何度質問を受けても「旧帝大など出身大学に偏りがある」「閉鎖的で既得権のようになっている」などと抽象的な言いぶりに終始した。除外された6人の中には、学術会議の会員がいない私大の研究者も含まれ、首相の発言は説明になっていない。

 「なぜこうした人を外したのか」と問われても秘書官から差し出されたメモを下を向いて読み上げる場面が目立ち、「人事に関すること」を盾に回答を避け続けた。正面から質問に答えない姿は、官房長官時代の東京高検検事長人事や「桜を見る会」の対応を思い起こさせた。

 首相に近い官僚からは「せっかく高支持率でスタートできたのに、こんなことでダメージを受けるとは残念だ」との声も漏れるようになった。6人除外への国民の疑問について、菅氏は答える気などないのではないか。自身が口癖としている「国民から見て当たり前」とは、ほど遠い姿勢に思える。

(後略)