「重症者の病床確保、近づく限界 数字以上に深刻な実態」

f:id:amamu:20051228113103j:plain

以下、朝日新聞デジタル版(2020/11/27 21:45)から。

 新型コロナウイルス感染症の重症者の入院ベッドが、東京都や大阪府などで逼迫(ひっぱく)し始めた。厚生労働省の集計では、新型コロナの重症者は26日時点で435人。半月で約2倍となった。今の感染者の増加ペースでは、重症者がさらに急増する事態は避けられない。感染拡大地域の医療現場は、新型コロナ以外の重症者の診療を制限しなければ対応できない深刻な状況に追い込まれつつある。

 重症者は、春の「第1波」は328人、夏の「第2波」は259人がピークだった。

 朝日新聞の取材では、重症者用ベッドの重症者の使用率(26日時点)は、大阪府で52%、東京都で40%、神奈川県で32%、愛知県で31%、兵庫県で29%だった。確保したベッドの使用率は政府の分科会が示した感染状況を判断する指標の一つ。「25%以上」がステージ3(感染急増段階)の目安になる。

 実態は数字以上に深刻だ。東京都は人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を装着した患者を重症者と定義し、26日現在で60人。重症者用の確保ベッドは「150床」とする。しかし、「確保」は必ずしも今使えることを意味していない。人手不足などですぐに使えないものが含まれるという。

 都で入院ベッドの調整に携わる山口芳裕・杏林大病院高度救命救急センター長は「実際に使えるのは半分ぐらいで、新たな重症者を受け入れられるベッドはほとんどない」と指摘する。

 (後略)