さて、そのバスツアーが始まった。
インフォメーションセンター前から、バスに乗り込んで、まずは、カルスト台地の説明を受ける。この辺りは、基本的に牧畜業や林業、農業といった農地であるようだ。
ツアー客は、カリフォルニア州から来たという夫妻。日本の大阪にも2年間住んでいたというし、アイルランドやシンガポールにも行ったことがあるというから、旅好きな夫婦のようだ。同じくカリフォルニア州から来た女の子。彼女は一人旅らしい。アイルランドから来た2人の女の子とロンドンから来たという1人の女の子。この3人は知人どうしのようだった。
小雨が降る中、ガイドの説明を聞きながら、少しずつ山を登っていって、車が停まった。ガイド役のケイト(仮名)からポンチョが参加者に配られ、洞窟探検をする場所まで少し歩く。懐中電灯付きのヘルメットをかぶり、ガイド2人と、ゴムボートに乗って、いよいよ土ボタル観察の開始だ。
グローワームのねばねばした釣り糸は、本当にキラキラしていて、ガラス細工か何かの飾りのようだ。渓流の音がする中をゴムボートが進んでいくと、暗闇の世界に満点の星というように、グローワームが輝いている。まるでプラネタリュームの星空だ。デジタルカメラの撮影が禁止というわけではないが、洞窟内のグローワーム観察では、ちょっとした明かりもグローワーム観察を台無しにしてしまうので、洞窟内に奥深く入ったところでは、フラッシュ撮影を遠慮するのが礼儀というもの。船頭さんならぬ男性ガイドも、デジタルカメラのライトは消して下さいとしきりに言っていた。どうせデジタルカメラで撮影しても、土ボタルのこの風景を表現するのは無理だろう。グローワーム観察は、写真撮影よりも、実際に見に来ないといけない。
土ボタル観察後は、野原で、みんなでお茶とビスケットを楽しんだ。シーフードの食事談議など、参加者たちと楽しく話ができた。