昨日のラグビーの試合は南アフリカのヨハネスブルグでおこなわれたようだが、ニュージーランドの時間帯で午後4時からテレビ放映があった。
南アフリカを応援している観客の中に”Kiwi is Sissies”というプラカードがテレビに映った際には、なんだかむかついた。まず、sissyとは、形容詞で「女々しい」、名詞で「弱虫」「臆病者」という意味があるのだが、もともとsisterから来ているコトバだから、これで相手チームをけなすというのは第一にセンスが悪い。これはまさに女性こそが怒らないといけない語法だろう。さらに私がむかついた理由は、このニュージーランド人を指すkiwiだが、当然、ここでは、複数形で使われているはずだから、文法的にはKiwis are sissiesという使い方が正しいのではないか。もちろん私の使うイギリス語も間違いだらけなのだが、プラカードに書く前に少しは考えなかったのだろうか。その浅はかさにも腹が立つ。念のためにこの点は、応用言語学の教授に聞いておくことにしよう。もっともこれらはかなりいい加減な理由で、スポーツ観戦で興奮するようなタイプでは元々ない私も、こちらの生活ですっかりニュージーランドびいきになり、体質改善がすすんでいるようだ。
応用言語学のジョージからすぐに返事が来た。「このプラカードは私も見ました。たしかに非文法的ですが、人眼を惹くと同時に頭韻をふんでいますね」("Yes, I saw this placard too. Certainly ungrammatical but eye-catching - and also alliterative.") ですって。
そうか、頭韻かどうか別にして、シシーズに対しては、キーウィーイズの方が確かに語呂がいい。ということで、むかついた私の勘違いといったところで、アイキャッチングだから、テレビにも映ったわけですね。ジョージはイギリス人だからか、あまりむかついていないみたい。しょせん、南アフリカ人の冗談めいた軽い表現なんだろうけどね。私のような外国人は、この辺の加減がわからないから困ります。