5月4日の今日は、五四運動の歴史的な日であることから中国で大規模な反日デモが起こるのではないかと心配されていたが、大きな動きはなかったようだ。
憲法九条によって、戦後、日本人の生存権は守られてきた。
1992年1月東京で開かれた「アジア太平洋における平和軍縮共生シンポ」での津田塾大学教授(当時)のダグラス=ラミス氏の講演から示唆を受けて、チャールズ=M=オーバビー氏は、次のように書いている。
ほとんどの人が気づいていないのは、第2次大戦の終結このかた、主としてこの73語の金言のおかげで、日本以外の土地で日本兵によって殺された人間がただの1人もいない、という点である。アメリカやソ連、それに他の大国と較べて、これは日本人たるもの大いに誇ってよいみごとな実績である。
良心的参戦拒否という考え方を、個人次元から国家次元にまで広げていった点で、第九条を評価し、「良心的参戦拒否国家としての日本」への期待が述べられている。
いま日本でも憲法九条を守ろうという草の根的な運動が盛り上がりをみせているが、アメリカ合州国でも、1991年に創設された「第九条の会」というのがある。この本の著者のオーバビー氏は、「第九条の会」で活躍されている。
暴力は、あらたな暴力しか生まない。紛争の平和的解決をめざす第九条は、世界の新しい流れでもあるのだ。