血債の塔

 しかし、暑い。
 冬から春にかけての日本からやってきたので、少々、バテ気味だ。
血債の塔では、箸と呼ばれる塔の下で休んでいるバングラデシュの青年がいた。暑いから石でできた血債の塔の床はひんやりして気持ちがいいのだろう。彼と少し話をした。
どうやら旅人のようだ。
 血債の塔は、四本の柱*1でできた箸のように、高く聳え立っている。高さは68メートルもある。中国語・英語・マレー語・タミール語で、1942年から1945年にかけて日本の占領時に死んだ人たちの記念碑であると書かれている。

*1:血債の塔の四本の柱は、中国人・インド人・マレー人・ヨーロッパ人を表しているという。