深坑に行ってみた

深坑

 今回の台湾旅行でわたしは台湾は3回目だが、これまで、専用車・専用ガイドの贅沢旅行ばかりだったが、今回は、ちょっぴり自分達でまわることが入っている。
 その意味で、はじめてのタクシー体験など、面白かった。
 けれど、今日は、専用車・専用ガイドでまわる。
 今日のガイドさんは、小さい頃から日本へ何度も旅行したことがあり、最近は、2ヶ月間、白馬でスノーボーディング三昧だったという。だから、日本のことはよく知っている。優秀なコミュニケーターになろうと思ったら、社会や文化を知っているということは大切なことだ。というのも、リスニング力にかかわってくるからだ。
 30歳くらいのこの男性ガイドは、優秀だった。
 そもそもは、フランス語をやって、台湾の人間をフランスに連れて行くツアーの専門ガイドになろうとしたようだが、需要と供給のバランスの問題から、日本語ガイドに切りかえたという。
 ガイドとしても、もちろん彼の日本語も優秀なのだが、トータルな人格として、コミュニケーターとして優秀だった。品性も高い。
 なんでも、自分の祖父が有名な政治家らしいが、自分は政治には興味がないという。といっても、ノンポリで政治に疎いというのでもないようだ。外見は優男に見えるのだが、台湾では、兵役があるから、自分も2年間兵役をおこなったという。
 私ははじめての外国、サンフランシスコで英語集中講座を受けているときに、友達の友達に台湾出身の女性がいた。それで、ときどき台湾映画を見にいったことがある。台湾映画は、ラブロマンスが多いのだが、その背景は軍国主義一色だった。いわば、台湾の軍人さんとのラブロマンス映画なのである。これは1980年代初頭の話なので、そうなのだが、その後、台湾は、民主化をすすめている。
 そんな話をしたら、笑いながら、そうした映画はお金を払っても見ないと言われた。
 そうした彼に、まず、深坑(センクン)を案内してもらう。
 深坑は豆腐が有名だが、どうってことない町だけれど、そうしたなんでもない町を歩くのは気持ちがいい。
 台湾は夜店や商店街が面白い。
 あれこれ試してみたくなるけれど、彼によれば、バイクや車、人ごみで、路上で売っているのだから、衛生上、多少の問題がないわけではないという。なるほど、それはそうだ。彼のコメントは説得力があって、面白い。
 食品でも、ゆずの皮を乾燥させたものを売っている。なんでも、喉に良いとのことだが、わけのわからないものは買わない方がいいですよ、というのも、三ヵ月後はどうなっているかわからないからという彼のアドバイスには説得力があった。
 屋台が並び、古い家屋も目立つ。この辺は、空襲もあったという。台湾に空襲があったことは知っていましたかと聞かれ、私は知らなかったので、そう答えるしかなかった。台湾は日本に統治されていたから、空襲もあったというわけだ。こうした事実を日本人は知らないといけない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B0%E5%8C%97%E5%A4%A7%E7%A9%BA%E8%A5%B2
 街中にお寺があったり、的屋のようなボール投げのゲームがあったり、深坑は普通の町だった。