自動車免許の更新に行った

 自動車免許の更新に運転免許試験場に行った。
 下町とはいえ都会育ちの私は20才になっても自動車免許取得に興味がなかった。
 中学生の頃は乗り物好きの友人もいたから、道路を通り過ぎる車の車名を当てる遊びなんかもやった記憶があって、全く興味がなかったわけではない。それでも、日本では都会に住んでいれば、乗り物は電車で事足りる。自動車は駐車場など面倒だし、コストもかかる。喫茶店や本屋、そして映画館やレコード屋のハシゴが好きだった私は、歩く方が性に合っていた。
 ところが20代の半ば、初めてアメリカ合州国を訪れ、サンフランシスコに半年滞在したのちに、2ヶ月ほどかけて合州国を旅したとき、たまたま見知らぬ日本の卒業旅行中の大学生のレンタカーに同乗させてもらったことがあって、ほんの数日間だが、3人旅をしたことがあった。そのときの私は自動車免許を持っていなかったから、乗せてもらうだけという負い目があった。彼らと別れるとき、Tボーンステーキをおごって、安モーテルに一人で泊まったとき、自動車免許を取ることを初めて意識したことが記憶に残っている。
 そうして日本に帰国して自動車免許を取得してから、30年くらい経ったろうか。
 私が地元の警察署でなしに運転免許試験場に行くときは、国際免許証を取りに行くときが多かった。国際免許証は地元の警察署では扱ってくれないからだ。初めて海外でレンタカーを運転して旅したアメリカ合州国西部周遊旅行、アイルランド自動車周遊旅行、ハワイ、オーストラリア、ニュージーランドと、地域によっては日本の免許証で運転できる地域もあるけれど、これまで、それぞれの旅ごとに運転免許試験場に国際免許証を取りに来たことがあるが、今日は単なる更新。
 また海外に行きたいのだが、諸条件が許してくれない。
 再度国際免許証を取りに来る日はいつの日か。