木下惠介監督の「日本悲劇」(1953年)を観た

日本の悲劇

 黒澤作品はいつでもレンタルできるけれど、レンタルビデオ屋さんに木下作品は置いてないことが多かった。
 おそらく木下惠介監督生誕100年のイベントの影響もあったのだろう。
 木下監督の作品をレンタルビデオで借りることができるようになってきたのは喜ばしい。
 長年観たいと思っていた「日本の悲劇」(木下惠介監督)を初めて観た。
 1953年の作品だが、戦後の日本の人間をきっちりと描いていた。
 母親役の望月優子の生きる苦労もそうだが、シナリオとしては、親子関係の世代の認識の違い。息子の設定と描き方も悪くないが、とりわけ娘役の描き方にステレオタイプではないリアリズムを感じた。上原謙扮する英語教師とのからんでないからみも面白い。
 そうした一人ひとりのリアルな描写を通じて、日本の戦後をリアルに表現している。
 1953年の作品。