「銃乱射ネット中継、容疑者が17分間 NZ、49人死亡」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019年3月15日20時22分)から。

 ニュージーランド南部クライストチャーチで15日午後1時40分(日本時間同午前9時40分)ごろ、イスラム教の礼拝所(モスク)で男が中にいた人たちに銃を乱射した。地元警察によると、乱射は別のモスクでもあり、死者は計49人、負傷者は48人に上り、警察は容疑者3人を拘束した。アーダーン首相は「テロ攻撃だ」と非難した。

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 警察は記者会見で「非常に周到に計画された犯行だった」とし、3人のうち、28歳の男を16日、殺人罪で起訴すると発表した。実行犯とみられる。一方、オーストラリアのモリソン首相は容疑者の1人は、オーストラリア人だと発表したが、警察はこの人物を指すのかは確認しなかった。

 警察によると、死者49人のうち41人が最初に襲撃があった市内中心部のヌールモスクにおり、7人が5キロほど離れたリンディモスクにいた。もう1人は病院に搬送後、亡くなった。アーダーン首相は記者会見で、警察が市内に止められていた容疑者1人の車1台から爆発物2個を発見したと明らかにし、容疑者らは警察の監視の対象外だったと述べた。

 地元メディアによると、ヌールモスクには金曜日の礼拝で約500人がいた。発砲したのは、ヘルメットをかぶった白人の男だった。男はモスクに車で乗り付けて、モスク内で途中で弾丸を装塡(そうてん)しながら、銃を乱射する様子をインターネット上で17分間にわたって生中継した。犯行直前には、80ページ前後にわたって移民やイスラム教徒に反対する声明文をネットで発表していた。

 ヌールモスクの近くでインド料理店を営むプラカス・サプコタさん(31)は朝日新聞の電話取材に事件時、「タイヤが破裂するような音」を聞いたと語った。たくさんの叫び声が聞こえ、30人ほどのイスラム教徒の服装をした人々が裸足で走ってくるのが見えた。血を流したり泣いたりしている人もおり、「ものすごい恐怖を感じているのがそばで見ていてもわかった」と語った。

 クライストチャーチは人口約39万人(2018年)で在留邦人は2875人(17年)。13年の調査では、85%が欧州系でイスラム教徒は0・8%だった。

 同市内の学校は、外部からの侵入を防ぐため、夕方まで出入りが禁止された。警察は記者会見で危険はクライストチャーチに限らないとの見方を示し、「今日(15日)、国内のモスクに行くことは控えてほしい」と述べた。

 アーダーン首相は会見で「被害者には難民や移民もいる。ニュージーランドで最も暗い日の一つだ。前例のない暴力だ」などと語った。

 菅義偉官房長官は15日午後の記者会見で、邦人被害について「確認中だが、現時点まで具体的な情報には接していない」と述べた。(ブルーム〈豪北西部〉=小暮哲夫、シンガポール=守真弓)