「中学生訪韓、出発式までしたのに 交流事業が次々中止」

f:id:amamu:20051228113059j:plain

以下、朝日新聞デジタル版(2019年7月29日21時52分)から。

 日本政府による対韓輸出規制の強化を受け、韓国の釜山市が28日、長崎県や福岡市などと続ける自治体交流の「中断」を宣言した。韓国では日本製品不買運動が続いており、訪日旅行者数も激減。出口の見えない政府間のにらみ合いが、互いの経済や文化活動にも悪影響を広げている。

 「日韓関係が発展的に改善するまでの間、延期したい」

 長崎県の担当者が29日、友好交流都市の韓国・釜山市に問い合わせると、こう返答があった。毎年、交流内容を盛り込んだ協議書を締結していて、今年は8月上旬に、釜山市の部長級職員が長崎を訪問する予定だった。

 一方の釜山市は、長崎県や福岡市などとの交流事業について「韓日関係が発展的に改善するまで暫定的に中断する」と28日に発表。日本政府の韓国への輸出規制を踏まえた措置だと説明した。呉巨敦(オゴドン)市長は「不当な経済報復措置が速やかに撤退され、両国関係が一日も早く正常化することを期待する」との談話を出した。呉氏は政権与党である「共に民主党」に所属している。

 政治的な駆け引きによって、長年、日本と韓国の間で続いてきた交流イベントが、相次いで中止や延期となっている。

 長崎県対馬市では、8月上旬の「対馬厳原港まつり」で、朝鮮通信使の復元船の来航中止が決まった。派遣を準備していた韓国の財団法人「釜山文化財団」が市に中止を伝えた。比田勝尚喜市長は「朝鮮通信使に関する事業は日韓の平和を象徴するもの。国家間の問題が早期に解決することを望むばかり」と談話を出した。

 岐阜県大垣市では、28日から予定していた韓国・昌原(チャンウォン)市の子どもたちとのサッカー交流が延期に。「外交関係が難しい状況になっている」などと、韓国側が延期を申し入れたという。

(後略)

(ソウル=清水大輔 ソウル=武田肇)