「大嘗祭「政教分離に違反」 キリスト教系、なぜ孤軍奮闘」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019/11/13 18:00)から。

 14、15日に大嘗祭(だいじょうさい)が予定され、天皇の即位行事が大詰めだ。神道と関わりが深い諸儀式を国事行為・公的行為としたことは、憲法違反に当たらないのか。日ごろ、閣僚の靖国神社参拝には「政教分離原則に違反する」と批判を欠かさない仏教、新宗教の関係団体はほぼ沈黙。キリスト教団体の抗議だけが際立つ。


 「違憲天皇の即位儀式・大嘗祭に抗議する」。12日、キリスト教関係者が東京で会見し訴えた。

 集まったのは日本キリスト教協議会(NCC)と日本福音同盟カトリックに所属する牧師、神父ら。会見前には、反対署名を首相あてに提出した。署名文には「即位諸儀式は神道儀式。国事行為、公的行為とすることは国民主権政教分離憲法尊重の義務に違反する」とつづってあった。

 カトリックの太田勝神父は「大嘗祭は極めて宗教的な儀式。明治憲法下で現人神(あらひとがみ)とされた天皇像を想起させる」とし、関与する政府を強く批判した。そして、戦時下の信者に対する弾圧について語った。「特高警察から『天皇とイエスはどちらが偉いのか』と問われ、『イエスだ』と答えた結果、迫害され、土地を追われた事例が多々ある」

 戦後、「信教の自由」「政教分離」を堅持するための取り組みは、戦時下の弾圧を経験した新宗教キリスト教、仏教の諸派が共闘してきた。旧憲法が信教の自由を明記しながら、政教分離規定がなかった歴史を教訓にしている。

 運動で絶えず問題となったのが、東京・九段の靖国神社だ。日本遺族会などが神社を国の管理に戻そうとする「国家護持運動」や、首相らの靖国公式参拝では、NCCや新日本宗教団体連合会が抵抗の中心になった。

(後略)

(編集委員・藤生明)