「首相推薦枠?「60」は政府資料 元会長の招待状に記載」

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以下、朝日新聞デジタル版(2019/11/29 21:00 )から。

招待区分が記された仕様書。「総理、長官等の推薦者」は60~63となっている
 首相主催の「桜を見る会」に、オーナー商法で2014年に行政指導を受けたジャパンライフの当時の会長が招待されたのは首相推薦枠だったのか。政府は29日、首相推薦枠を示すのではないかと野党側が指摘する「60」という数字が記載された文書が、政府のものであることを認めた。

 共産党が入手したこの文書は、15年に民間業者に示した招待状の封入作業の仕様書。「総理、長官等推薦者」の招待区分として「60~63」の数字が記載され、「国会議員(10)」「与党推薦者(64、65)」などと区別されている。

 共産党が別途入手した資料によると、15年の桜を見る会について、ジャパンライフの元会長宛ての招待状の受付票番号の最初の2ケタが「60」だった。このことなどから、野党側は「60」は安倍晋三首相の推薦枠である可能性が高いと追及してきた。

 政府は前日の28日まで、首相推薦枠を思わせる「60」の数字について「どうやって割り振ったのか今となってはよく分からない」と説明を拒否していた。しかし、29日午後の参院行政監視委員会の理事懇談会で、文書について「内閣府が出した資料に間違いない」と認めた。

 ただ、同日夕方に開かれた野党の追及本部の会合では、野党議員が「『60』は首相または安倍昭恵夫人の推薦なのでは」とただしたが、内閣府の担当者は「名簿を廃棄しているので、どういった区分か確かめるすべがない」と説明。菅義偉官房長官も29日の記者会見で「番号は招待状の発送を効率的に行うために付しているもの」と説明。首相の推薦枠かどうかについては「現時点でこれらの情報は保有をしていない」と従来の説明を繰り返した。

 この日の国会では、政府の対応に野党が反発し、審議が一時中断。与野党国会対策委員長は国会内で断続的に会談し、政府の文書であることを確認することで折り合い、午後から国会は正常化した。

 野党側は政府が文書を認めたことで、「元会長への招待状は(少なくとも)総理を含む官邸枠として発送したと見なす」(立憲民主党安住淳国対委員長)として、安倍首相が出席する12月2日の参院本会議で、ジャパンライフの元会長の招待への首相の関与や、反社会的勢力の関係者の参加の有無などについて首相本人を追及する考え。

 立憲の枝野幸男代表は29日の記者会見で、「(ジャパンライフが)社会的に問題になっていた中で推薦した。それが政府関係者であれば責任から逃れられない」と述べた。(小林豪、永田大、安倍龍太郎