「休校要請「上意下達に激しい違和感」 教育現場から批判」

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以下、朝日新聞デジタル版(2020/3/2 20:57)から。

 今回の政府方針に対し、教育関係者から疑問の声もあがっている。

 「子どもや教育現場から一番遠い国が決めたことについて上意下達に従った方がいいという風潮に、激しい違和感を感じる」。長野県池田町の竹内延彦教育長(53)は2月29日、自身のフェイスブック(FB)にそう書いた。その上で、政府要請より2日遅い4日から休校を実施することにした理由について、「子どもたちに少しでも気持ちの準備をさせたかった」と説明した。反響は大きいといい、「私自身の言葉で保護者や地域の方々に話したかった。同じように感じる人がそれだけ多かったということだろう」と語った。

 小学校から大学までの教員らで作り、国の政策への提言などを行っている公教育計画学会は2月29日、理事会名で「休校は地方自治体が主体的に判断すべきこと。具体的な対応策を示さずにインパクトの強い策を表明するのは、政治的パフォーマンスだ」と政府を批判する声明を出した。中村文夫会長は「全国一斉の学校休校は中止し、危険な学校を見極めて限定的に実施すべきだ」。

 1日には「教職員のための『一斉休校』要請についての情報サイト」もできた。呼びかけたのは、滋賀県の小学校教諭、石垣雅也さん(46)。「(2月27日の)ニュースで、28日が最後の授業になると知るのはおかしい。その後、自治体ごとにどんな判断が働いたのか、知りたいと思った」。同様の声が多くの先生から寄せられ、サイトの開設を呼びかけた。

 賛同した高知県土佐町議で教育研究者の鈴木大裕さんは「政府の要請を通達と受け止め、休校を決めた自治体が多かったことに危機感を感じる。そうした議論も共有できれば」と話す。(近藤幸夫、増谷文生)