以下、朝日新聞デジタル版(2020/3/19 10:52)から。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ドイツのメルケル首相は18日夜のテレビ演説で、今回の危機はドイツにとって「第2次世界大戦以来の最大の挑戦だ」と述べ、商店の閉鎖や移動の制限など、国民に不自由を強いる措置に理解を求めた。メルケル氏が就任後の14年余りで、恒例の大みそか以外でテレビ演説をするのは初めてという。
ドイツの感染者は18日時点で8千人を超え、増加ペースが落ちていない。
政府は食料品店などを除く大半の商店のほか、劇場や博物館、教育施設などの閉鎖を決定。入国制限をする一方、仕事以外で国内外の旅行をしないよう求めている。イタリアやフランスのように「外出禁止令」までは出していないが、町を歩く人は極端に減った。
約15分間の演説でメルケル氏は、ウイルスの拡大を遅らせてワクチン開発の時間を稼ぎ、感染者に最善の治療ができるようにすることが重要だと語った。
「ドイツには恐らく世界でトップの医療システムがあり、信頼できる」としつつ、多くの患者が一度に病院に駆け込めば「完全に参ってしまう」と指摘。できる限り公共の場を閉じ、人々が接触を避けることが大切だと述べた。
また「政府は経済的な影響を和らげるためにできる限りのことをしている」とし、危機を克服できるかは「皆が規律正しくルールを守り、実行するかにかかっている」と述べ、連帯と協調を訴えた。(ベルリン=野島淳)