「マスク2枚配布「情けない」 国民から与党から疑問次々 新型肺炎・コロナウイルス 」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2020年4月2日 11時57分)から。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大防止の一環で、安倍晋三首相が洗濯して繰り返し使える布マスクを5千万余りある全世帯に2枚ずつ配る方針を表明した。スーパーなどでの品薄は依然解消されず、政府が頭を悩ますマスク不足への対策だが、ネット上だけでなく政府・与党内でも賛否が飛び交っている。
 ツイッターでは、アベノミクスをもじった「#アベノマスク」というハッシュタグがトレンドランキングの1位に。「#マスク2枚でごまかすな」もトレンド入りして、「マスクよりも休業補償を」「3人以上の世帯はどうするのか」などの声が広がる。一方、「洗えば何度でも使える」「もらえるだけありがたい」との投稿もあった。
 郵便配達の仕組みを使って配るとされるが、東京・池袋を拠点に生活困窮者らを支援するNPO法人「TENOHASI」の清野賢司事務局長は、路上生活者やネットカフェなどで暮らす人たちが対象にならないと心配する。「マスクがないだけでなく、そもそも『家にいる』ことができない環境にある」と話す。
 日雇い労働者の街・大阪市西成区のあいりん地区(通称・釜ケ崎)には、ゲストハウスや民泊などに暮らし、定まった住所がない人が多い。その人たちを支援する団体で活動する男性(49)は「そもそも国民一人ひとりにマスクが行き渡らない施策で、安倍首相のパフォーマンスにしか見えない」と憤る。確実に個人の手元に届くような配給の仕組みを考えるべきだと主張し、「1世帯に2枚という理屈は理解できない。場当たり的で情けない」と話した。
 浄土宗の寺院「日新窟(にっしんくつ)」には失踪したベトナム人技能実習生や留学生らも助けを求めてくる。支援団体代表の吉水里枝さん(50)は「どうやって失踪者に届けるつもりなのか、聞きたい。一度日本に受け入れた以上、責任をもって平等に支援してほしい」。

 

 (後略)

 

 (江口英佑、神沢和敬)