「検察庁法改正に抗議、ツイッターで470万超 著名人も」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2020年5月10日 20時18分)から。

 

10日午前7時50分ごろまでに、ツイッターでは「#検察庁法改正案に抗議します」が約150万件以上投稿されていた

 

 国会で審議が始まった検察庁法改正案への抗議が、ネット上で急速に広がっている。政府の判断で検察幹部の定年を延長できる規定が「人事や捜査への政治介入を招く」と問題視され、ツイッター上では9日夜から10日朝にかけ「#(ハッシュタグ検察庁法改正案に抗議します」という投稿が相次いだ。コロナ禍が続くなか成立を急ぐ姿勢にも反発が出て、リツイートも含め、その数は10日夜までに470万件を超えた。
 「もうこれ以上、保身のために都合良く法律も政治もねじ曲げないで下さい。この国を壊さないで下さい」。俳優の井浦新さんが10日朝に投稿すると、昼までに2万件以上リツイートされた。
 歌手のきゃりーぱみゅぱみゅさん、音楽グループ「いきものがかり」の水野良樹さん、俳優の浅野忠信さん、秋元才加さん、芸人の大久保佳代子さん、漫画家の羽海野チカさんらも同様に、ハッシュタグ付きで抗議の意思を示した。「政治の話はいつもはしないけど、これは黙っておけない」「コロナのどさくさ」「国民が感染症で苦しんでいるのに」といった投稿も目立った。
 安倍内閣は1月、政権に近いとされる黒川弘務・東京高検検事長の定年延長を閣議決定し、検事総長になれる道を開いた。国家公務員法の延長規定を適用したとし、過去の政府答弁との矛盾を指摘されると、法解釈を変えたと説明。その上で改正案を提出した。野党側は森雅子法相が出席した形での審議を求めたが、与党は応じないまま8日に強行する形で委員会審議が始まった。早ければ13日にも採決される可能性がある。
 8日夜に、ハッシュタグを含んだ最初のツイートを投稿したのは東京都内の会社員女性(35)。もともと政権に強い不満があったわけではないが、新型コロナウイルス騒ぎが見方を変えた。「みんなが困っているのに対応できていない。そういう政府の思うままになったら危ないと思った」
 街頭デモの強い口調には違和感があり、冷静に議論できるようにハッシュタグの言葉づかいを選んだという。「こんなに広がるとは思わなかった。政治家たちがこれでも無視して強行採決をしたら、本当に恐ろしい国になる」と話した。
 投稿は9日夜から急増し、10日午前2時には100万件を突破。明け方になっても伸び続けた。
 ネットメディアや言論に詳しいジャーナリスト津田大介さんは「深夜にこれほど投稿が伸びるのは見たことがない」と驚きを隠さない。「新型コロナウイルスへの政府の対応は緩慢なのに、『不要不急』にみえる法改正は迅速に進む。一般になじみがなく、わかりにくい問題だったが、政府に注目が集まる今だからこそ気づかれることになった」と読み解く。
 外出自粛要請が続くなかでさまざまな情報を調べている人々が、著名人のツイートをきっかけに関心を持ち、大きなうねりになった可能性もあるという。
弁護士からも反対の声
 検察庁法改正をめぐっては、弁護士からも反対の声が強まっている。有志による「法の支配の危機を憂う弁護士の会」は先月22日から、「政府が恒常的に検察官人事に介入できる仕組みを制度化するに等しく、到底看過できない」とネット上で反対をアピール。10日午後6時までに、日本弁護士連合会の会長や副会長経験者を含む1600人以上の弁護士が賛同を表明した。
 呼びかけ人で元日弁連事務総長の海渡雄一弁護士はツイッターで「権力から独立した検察を市民の力で守り抜こう。日本を政治腐敗の裁けない独裁国家にしてはならない」「コロナ危機に紛れて、こんな法案を審議成立させることは許せません」と訴える。
 日弁連の荒中(ただし)会長も先月6日、「内閣や法相の裁量で人事への介入が可能になる。検察官の政治的中立性や独立性が脅かされる危険があまりに大きい」との声明を出した。全国の弁護士会でも反対声明が相次ぐ。
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検察庁法改正案の概要
・検察官の定年を63歳から65歳に引き上げる(検事総長は65歳のまま)
次長検事や高検検事長、地検検事正ら幹部は63歳になるとポストを退く「役職定年制」を設ける
・ただし、内閣や法相が「公務の運営に著しい支障が生じる」と認めれば、幹部らは特例でその職を最長3年続けられる