「米軍の感染情報開示、韓国との落差 危機感高まる沖縄  新型コロナウイルス」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2020年7月13日 23時33分)から。

 在沖米海兵隊基地内で、新型コロナウイルスの感染が急速に広がっている。沖縄県は住民への拡大を警戒しているが、米軍から十分な情報が得られず、必要な対策を打てないとして、日本政府に対応を求めている。一方の政府は「日米間の情報共有は出来ている」との立場だ。
 県は13日午後、普天間飛行場宜野湾市)で新たに32人の感染が確認されたと発表した。12日には牧港補給地区(キャンプ・キンザー、浦添市)でも1人判明し、在沖米海兵隊関係者の感染者は、7日以降で計94人となった。


作戦上の理由
 感染拡大が明らかになる中で最初に問題となったのは、感染者数の公表だ。
 米軍基地内の感染状況に関する情報提供は、2013年にまとめた日米合同委員会の合意に基づく。ただ、米国防総省が3月末、作戦上の理由から、米軍基地内での感染情報を公表しないとの指針を公表。外務省も米側から提供された情報を発表しないよう自治体に要請した。
 沖縄県の場合、感染に関する情報は、日米合意に基づき、米軍の医療機関から県保健医療部に直接連絡が入る。米側は新たに45人の感染者が判明した11日も、当初は県に数字を伝えつつも非公表とするよう要求。県が米側と交渉を重ね、米側は県が発表することは妨げないとの立場に転じた。
 さらに、県がいま危機感を募らせているのが、感染拡大防止にすぐに乗り出すために必要な情報が十分に得られていないことだ。
 県によると、3月の空軍嘉手納基地(嘉手納町など)の3人、7月7日の普天間の5人感染については、基地外で買い物をしていたといった行動履歴などの情報が入った。しかし、それ以降は感染者数と所属基地以外の情報はほぼ入ってきていないという。
沖縄県は、独自に市町村や地域住民から情報収集をし、対策に乗り出しました。国はどんな対応をしているのでしょうか。在韓米軍と比べると、大きな違いが浮かびました。

 (後略)

 

(藤原慎一、木村司 北見英城、ソウル=鈴木拓也、シドニー=小暮哲夫)