以下、朝日新聞デジタル版(2020/12/28 5:00)から。
自民党衆院議員だった吉川貴盛・元農林水産相
(70)=北海道2区、議員辞職=が大臣在任中に鶏卵生産・販売大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表(87)から計500万円を受け取った疑いがある問題で、前代表がこのうち100万円を渡した際、政府系の日本政策金融公庫によるつなぎ融資について、「養鶏業界が借りやすいようにしてほしい」と依頼していたことが、関係者への取材でわかった。現金提供の趣旨としては、国際機関が示した飼育基準案への反対要望が明らかになっていた。東京地検特捜部は、公庫融資も加えた主に二つの便宜を図ってもらう目的があったとみて、贈収賄容疑での立件を視野に捜査を進めている。
関係者によると、吉川氏は大臣在任中、①2018年11月21日に都内のホテルで200万円②19年3月26日に大臣室で200万円③同年8月2日に大臣室で100万円の計500万円をアキタ社の前代表から受け取った疑いがある。
前代表は③の際、資金繰りが厳しくなった時に一時的に受けるなどするつなぎ融資について、「政策金融公庫から養鶏業界が借りやすいようにしてほしい」などと依頼したという。公庫は政府の100%出資で、農林漁業者への貸し付け業務は農水相が所管する。前代表は農水省の担当課も訪問していたといい、特捜部は農水省側から経緯を確認している模様だ。
(後略)