以下、朝日新聞デジタル版(2021/2/11 5:00)から。
事件発覚後も、農林水産省は検証に背を向けている――。共産党の田村貴昭氏は10日の衆院予算委員会で、吉川貴盛・元農水相が鶏卵生産・販売大手「アキタフーズ」の前代表から賄賂を受け取った事件を取り上げた。
吉川氏が前代表から現金を受け取った時、「アニマルウェルフェア」(動物福祉=AW)の観点から推奨される巣箱などの設置義務化を国際機関が検討していた。前代表が反対を働きかけ、政府は設置義務化に反対する意見を国際機関に提出した。
田村氏は、農水省の有識者会議の委員から聞き取り。「AWは世界の趨勢(すうせい)で国際基準を作った方がいいと何度か発言したが、無視されている感じだった」との証言を紹介した。
さらに、この委員が事件発覚後の昨年12月の会議で「AWの基準を再討議する必要がある」と主張したが、議事概要に記載されていないことも明かした。
野上浩太郎農水相は「政策判断は妥当」と正当性を主張したが、田村氏は「だったら私たちに検証させてください」と要求。議事録の公開や吉川氏らの証人喚問を求めた。(小林豪)