「続くコロナ自宅死、病院の受け入れ限界 「異常な事態」」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/1/23 6:00)から。

 新型コロナウイルスの自宅療養中に緊急事態宣言が出ている11都府県のうち7都府県で18人が死亡していたことがわかった。このうち東京都で7人の死が公表されたのは、いずれも今月のことだ。糖尿病だった80代男性は症状がなかったが15日に陽性とわかり、17日に亡くなった。都の担当者は「共通するのは数時間で急変してしまうということだ」と話す。

自宅療養中に死亡、18人 病床逼迫し入院先見つからず

 京都府でも年末以降、2人の死がわかっている。80代女性は昨年12月25日に陽性がわかり、入院調整中の12月末に死亡した。当初の症状は軽かったが、持病があったという。

 次々に判明する自宅死の背景にあるのは、陽性者が急増し、病院の受け入れが限界に達していることだ。

 関係者によると、都内では自宅からの救急搬送依頼が増加。「急変した」「不安だ」と、1日に20件超の搬送要請があるという。中には、心肺停止状態で発見され、搬送後に死亡が確認された人もいる。

 昨年12月の都内の新型コロナ感染者の搬送は300件超だったが、1月は16日までの集計で600件を超す。約8割が自宅からの搬送で、何回病院に連絡をしても搬送先が決まらず、中には搬送先の決定まで12時間かかったケースもある。保健所や医師と相談して搬送を断念するケースも200件以上あるという。

 愛知県も深刻だ。名古屋市で入院調整に携わる名古屋掖済会病院の北川喜己救命救急センター長によると、昨年12月中旬からベッドが埋まり始め、今は、毎日数十人の患者の入院先が決まらない。高齢者で血中の酸素量の目安となる酸素飽和度が下がっている患者や、透析が必要など持病がある患者も入院できない状態だという。

 同病院では、5~6件断られた後に、遠方から発熱患者が搬送されてくることも増えている。北川センター長は「こんなことは今までなかった。異常な状態」と話す。

(後略)