「赤木俊夫さん妻「一歩前進」 ファイルの全面開示求める」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/5/6 19:22)から。

 学校法人森友学園大阪府)への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、国は6日、自死した財務省近畿財務局職員赤木俊夫さん(当時54)が改ざんの経緯を記したとされる「赤木ファイル」の存在を初めて認め、妻・雅子さん(50)側に回答した。雅子さんは同日午後、大阪市内で報道機関の取材に「夫が残した物がある、という安心感がある。一歩進んだと思っている」と語った。

 国側は回答文書で、裁判に関係しない職員の個人情報やセキュリティーに関わる情報をマスキングする必要があり、提出は6月になる、とした。

 雅子さんは「今いる人はどうして助けてもらえるのに、夫は助けてもらえなかったのか。夫は国側ではなく、国民の方を向いて仕事をしていた。国の言うことを聞く人だけ助けるのはどこかおかしいと思う」などと指摘。「マスキングなしに、すべて明らかにして欲しい。何を言われて(改ざんを)やったのか明らかにしてもらわないと、夫が浮かばれない」と語った。

 「赤木ファイル」の存在をめぐっては、俊夫さんの元上司が「俊夫さんが経緯をまとめていたので、これを見ればすべてが分かる」と証言。雅子さん側は、この音声データを裁判所に証拠として提出していた。雅子さんは「もっと早く出そうと思えば出せたし、国は職員を苦しめたことになる。早めに出すべきだ」と国の対応を批判した。

 今後の裁判では、赤木ファイルの内容がどこまで開示されるかが焦点となる。「悪いことをした人がいるなら反省してもらえるような裁判を進めて欲しい。夫がなぜ死なないといけなかったのか、なぜ改ざんしないといけなかったのか、明らかにしたい」と語った。(森下裕介)