「国が遺族側に「赤木ファイル」を開示 森友公文書改ざん」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/6/22 10:24)から。

 学校法人森友学園大阪市)への国有地売却をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、国は、自死した同省近畿財務局職員赤木俊夫さん(当時54)が改ざんの経緯を記したとされる「赤木ファイル」を妻・雅子さん(50)側に開示した。雅子さんの代理人弁護士の事務所に22日、郵送で届いた。

 国が開示したファイルは約500ページ。俊夫さんが、改ざん問題について書き残したとみられる「備忘記録」には、「本省理財局が全責任を負う」「(近畿財務局長の)責任で対応する」などの記載があったほか、省内でやりとりしたメールの写しなどがあった。中身を確認した雅子さんは「夫の気持ちを考えると、どんなにつらい思いをして残したのだろうと胸がつまる思いだ」と語った。

 雅子さんは昨年3月、俊夫さんが自死したのは改ざんを強いられたからだとして、国と佐川宣寿(のぶひさ)元同省理財局長に計約1億1200万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。

 雅子さん側は、ファイルの内容が明らかになれば、当時の改ざん指示の流れや俊夫さんが受けた精神的苦痛の立証につながると主張。ファイルの存在を明かした俊夫さんの元上司の音声データを証拠として提出したほか、今年2月、国にファイルの提出を命じるよう大阪地裁に申し立てた。

 これに対し国は、財務省内で改ざんが行われたことについては争いがないとし「ファイルは裁判に関係がなく、存否について答える必要がない」と説明。一方で国会では「訴訟に影響する」として、野党側の開示要求に対し、存否についての答弁を避けてきた。

 だが、国は今年5月、裁判所の命令を待たずに、任意で提出を検討するよう地裁から要請があったことを受け「真摯(しんし)に対応する」と表明。求められていた文書を特定できたとして、次回の口頭弁論期日(6月23日)には俊夫さんが改ざんの経緯を時系列にまとめた文書や、財務省理財局と近畿財務局の間でやりとりしたメールの記録などを任意で提出すると文書で回答した。また、マスキング処理(黒塗り)は「できる限り狭いもの」とする意向を示していた。(米田優人、森下裕介)

(後略)