「大規模接種はパフォーマンス? 進み出した「個別接種」」

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以下、朝日新聞デジタル版(2021/5/30 11:00)から。

 新型コロナウイルスのワクチン接種がなかなか進まずにいる。4月中旬に始まった高齢者向け接種は27日現在で約400万人と、ようやく対象約3600万人の1割を超えたところだ。東京・大阪で始まった「大規模接種」に注目が集まるが、政府が目標とする「1日100万人」の水準は遠い。一方、診療所などでの「個別接種」が地味ながら着実に進み出し、今後の接種率アップのカギを握る存在になりつつある。

1時間で60人接種
 東京都立川市のJR立川駅の駅ビル4階にある診療所「ナビタスクリニック立川」前の廊下にはこのところ、昼過ぎになると高齢の男女の列ができる。

 5月25日午後1時前、クリニックから2人の事務員がワゴンを押して出てきた。並ぶのは、新型コロナワクチン接種を予約した市民20人。事務員は額にあてた体温計で熱を測りながら、それぞれの問診票に書き漏らしなどがないかを確認し、ワゴンから取り出したバインダーにはさんで手渡していく。

 午後1時になると列の先頭に並んでいた8人がクリニックに入る。残る人の受け付け作業も数分で終わった。

 そのころ、院内では2人の医師が問診をしながら接種を進めていた。

 「きょうの体調はどうですか」「体中悪いところだらけですよ」「それは、長い間生きてきた勲章みたいなものですね」

 使うのは米ファイザー社のワクチン。日本で一般的な斜めに刺す「皮下注射」と違い、垂直に刺す「筋肉注射」だ。接種自体はすぐ終わるが、急な副反応が起きないか、院内の待合室で15分間様子を見る。

 待合室の人が少なくなるころ、診療所前には新たに20人の列ができていた。同様の受け付けが進み、午後1時20分になると、第2グループの接種が始まった。第3グループは1時40分から。こうして、1時間で60人が接種を受けた。

クリニックなら「午前中で終わる」
 ナビタスクリニックは新宿駅、…

(後略)

(松浦新)