「記者は総領事館で死亡、サウジ認める「口論で殴り合い」」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年10月20日07時55分)から。

 トルコ・イスタンブールサウジアラビア総領事館でサウジ人記者のジャマル・カショギ氏が殺害された疑惑で、サウジ政府は20日、カショギ氏が総領事館内で死亡したと認めた。国営通信が伝えた。18人を拘束し、取り調べているとしている。

 国営通信によると、カショギ氏との間で口論になり、殴り合いの結果死亡したとしている。サルマン国王やムハンマド皇太子の関与については言及せず、「過失」と主張して王室へのダメージを最小限に食い止めたい意向とみられる。

 ただ、皇太子の側近が容疑者に含まれると報じられるなど、関与を疑う声は強まっている。

 サウジ国籍のジャーナリストのカショギ氏は2日昼過ぎに総領事館に入った後、行方がわからなくなった。トルコメディアや米CNNなどによると、トルコの捜査当局は、カショギ氏が総領事館内で殺害され、遺体が切断されて館外に運び出された疑いが強いとみている。

 これまでムハンマド皇太子は、「何も隠すことはない」などとして一貫して関与を否定していた。(ドバイ=高野裕介)

「不明記者、生きたまま切断か サウジ見解と異なる可能性」

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 以下、朝日新聞デジタル版(2018年10月17日18時47分)から。

 トルコ・イスタンブールサウジアラビア総領事館に入った後に消息を絶ったサウジ人記者のジャマル・カショギ氏が、生きたまま体を切断され、殺された可能性が浮上した。英国の中東専門ニュースサイト「ミドル・イースト・アイ」が16日、トルコ当局者の情報として報じた。事実だとすると、「尋問中に誤って死亡させた」との報告書を準備中とされるサウジ側の見解と異なることになる。

 殺害の様子を記録したとされる音声データを基にしたトルコ当局者の情報によると、カショギ氏は2日昼過ぎに総領事館に入った後、総領事の執務室から引きずり出されて隣室の書斎に移された。カショギ氏が尋問を受けることはなく、テーブルの上で生きたまま体を切断された。殺害に要した時間は7分間だったとしている。

 館内にはカショギ氏とみられる叫び声が響いたが、何らかの薬を注射された後に静かになった。現場にはイヤホンをつけたとみられるサウジ人の法医学者の男性がおり、切断作業中に「こういう仕事をする時、私は音楽を聴く。君たちもそうすべきだ」と話す様子も記録されているという。

 トルコ当局は2日に空路でイスタンブール入りし、カショギ氏と同じ時刻に総領事館にいたはずの15人のサウジ人の一団に関心を寄せている。この法医学者はサウジの治安機関に所属しているとみられる。

 米CNNによると、サウジ政府は「カショギ氏を尋問中に手違いで死亡させた」とする報告書を準備しているとされる。しかし、カショギ氏が尋問を受けず、生きたまま切断されたのが事実であれば、最初から殺害が目的だった疑いが強まる。(イスタンブール=其山史晃)