ホアニを待ちながら図書館で勉強していたら、応用言語学でもCALLでも一緒の中国人のイボンヌ(仮名)に会った。
こちらから挨拶をしたら、「何を勉強しているの」と聞かれたので「マオリ語」と答えたら、「なんで」と驚いた顔つきでストレートに聞かれた。フランス語やドイツ語ならわかると言いたげだった。
一緒に受けている応用言語学やCALLの授業評価を彼女に聞くと、応用言語学は抽象的過ぎて面白くないという。私が授業中によく質問をするということで、彼女に感謝をされた。彼女に感謝される理由もないのだが、彼女にとっては実践的でないから応用言語学は魅力がないという。
同じくクラスメートのグレース(仮名)と一緒に、彼女はいまフランスやアジアからの移民にイギリス語をボランティアで教えているらしい。これからその授業だということで、本日用のレジュメを人数分手にもっていた。講義よりも、こっちの方が実践的でためになるという。とくにIELTSの準備をする授業のようだ。
IELTSやTOEFLの試験勉強をしっかりやるような学生は日本では限られた学生たちで、多くの学生にとっては、IELTSもTOEFLの名前も知らない学生も少なくないと私が言ったら、イボンヌは不思議そうな顔をした。それに、「高度経済成長を支えるような詰め込み勉強は、ちょいと前に日本人は、やり過ぎてしまって、我々は今ちょっと疲れているんだ」と説明したら、ますます妙な顔をされた。
中国人はプラクティカルな物の考え方をするから、イギリス語は文句なしに必要だと考えるし、資格としてのIELTSの点数をいかに上げるかが重要だというように、ストレートに考えるのだろう。だから彼女の発想の中には、マオリ語学習なんて、入る余地がないに違いない。
ストレートな発想といえば、日本人はその点が中途半端で、いまは意欲も減退している。おおかたの日本人にとっては、英語・英語と騒いでいるわりには、英語なんて、相も変わらず抽象的で遠い出来事なのだろう。現在の中国人みたいに意欲満々になんて、とてもなれやしない。日本人はいま多少疲れ気味でもあることだし。
イボンヌが「クラスに参加してみないか」というので、今日はマオリ語で手一杯なので、またの機会にと言って別れた。
さて、マオリ語のノートは作ったから、今日は簡単に夕食を済ませて、明日の試験にそなえて試験勉強だ。