昨日のフライフィッシングの講座では、講師が鱒を持ってきて、鱒のさばき方、スモークの仕方、そしてスモークしたトラウトを実際に味わうことができた。
講師が持ってきた奴は、鱒といっても、45センチは楽にある。大体、大人の生徒が8人くらい受講している市民講座である。全員を満腹にしようということではないけれど、鱒一尾で、8人全員に試食させようというのだから、どれくらいの大きさの鱒なのか想像できるだろう。
トラウトを釣って食べる場合、早めに殺さないといけないようだ。講師の話だと、鱒を釣り上げたら、頭にナイフを当てて突き刺し、少し手前に引けば、魚は震えて死ぬという。
魚肉を血まみれにしないようにするために、もし頭を切るなら、エラのところが一番血が多いから、そこをまず除去しないといけないと説明しながら、実際に鱒をさばいていく。
はらわたを取るために、尾っぽの方から頭の方にかけて、ナイフを入れる。はらわたの中でも胃を切り開いて、何を食べているのか見たりする。これは、何のフライで釣るべきか、参考にするためだが、こうしてフライフィッシングの授業は生物の解剖実験に近いものがある。
頭を取ったら、背骨に沿ってナイフをいれて開くのだが、その部分にも血液の多い腎臓があるので、それを指でこそぎ取る。骨を取るためには、骨についた肉片ごと薄く剥ぎ取るようにナイフを入れて、薄い肉片ごと骨を取る。
開いた鱒は、塩を2/3、赤砂糖を1/3くらい振りかけ、あとレモンペッパーをふりかける。
鉄板のプレートに、アルミフォイルを敷き、その上にチップを置いて、さらにその上に網を置いて、その上に鱒を乗せる。下にメセインの小さなランプを2つ燃やして、これでいぶすわけだ。
教室の外でスモークしている間、生徒たちはラインの結び方を習った。
まず、ループとループを結合する一番簡単な結び方。これは何とかできた。あとの複雑な奴は、ちょいとむずかしめだった。
そうこうしているうちに、スモークが30分程度で出来上がった。これを生徒、8人ほどで食べたのだが、油がのっていて、この鱒はまるでサーモンのようだ。鱒はサケ科だから、このイメージは間違っていない。 味は、レモンペッパーがきいていて、実にうまい。手にスモークの臭いがついてしまう。大人8人くらいが、うまい、うまいと食べても、まだかなりの身が残っている。「残してもしょうがないから、全部食べてくれ」と言われて、お言葉に甘えて、最後までスモークトラウトを私は味わった。
フライフィッシングは本当にいい講座だ。
8回の講義とスモークサーモンまで教室で食べることができて、受講料が60ドル(約4200円)だ。破格の値段と言わなくてはならない。