ローザ=パークスさんについての報道量

 日本時間ではすでに昨夜のことだが、アメリカ合州国では朝から、先週92歳で亡くなったローザ=パークスさんの棺を弔問する人たちが絶えない様子を映していた。
 公民権運動の母とも言うべきローザ=パークスさんについて、彼女がいなかったら、今頃俺は綿花畑でまだ綿を積んでいたよと述べていた市民が画面に映っていたけれど、このニュースをCNNはずっと報道している。
 ブッシュ大統領ですら弔問に訪れざるをえないこのローザ=パークスについての報道を、アメリカ好きの日本のメディアはどれほど伝えているのだろうか。
 もちろんこれはアメリカ合州国の国内ニュースである。しかし、人権や人種差別に反対したという意味では、国際的なニュースでもあろう。
 たとえばたまたま日本の政治家である安陪氏などは「31日の記者会見で、靖国神社を参拝するかどうかについて、「国民の1人として、政治家として、今まで参拝してきた。今までの気持ちを持ち続けていきたい」と述べ、参拝する考えを示唆した」と、靖国神社参拝を示唆するというニュースが読売新聞で流れていたが、ローザ=パークスさんを弔問せざるをえないブッシュ大統領と、これはなんとも対照的・象徴的ではないのか。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051031-00000114-yom-pol
 メディアの問題だけではなく、国民世論の力もあるのだろうが、ローザ=パークスさんの報道が少ない日本に住む国民は不幸である。それは、人権や人種差別、民主主義の問題に鈍感にならざるをえないことを意味してしまうからだ。